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低カリウム血症

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-16
唐澤一徳 (東京女子医科大学腎臓内科(第四内科学講座))
新田孝作 (東京女子医科大学腎臓内科(第四内科学講座)主任教授)
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  • ■疾患メモ

    低カリウム(K)血症とは,生体内貯蔵量不足,あるいは細胞外Kの細胞内への異常な移動により血清K濃度が3.6mEq/L未満となることである。

    低K血症は入院患者の20%に認められ,不整脈,血圧異常あるいは心筋障害をきたしやすく,死亡率は10倍に増加する。

    最も一般的な原因は,消化管からの喪失と腎からの排泄亢進である。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    3.0~3.5mEq/Lの軽度な低K血症では,症状が出現することはほとんどない。

    3.0mEq/L未満に低下すると食欲低下,便秘などの消化器症状,筋力低下,脱力,テタニーなど神経・筋症状,多飲・多尿など尿濃縮障害に基づく症状が生ずる。

    2.5mEq/L未満の重症低K血症では,四肢麻痺,呼吸筋麻痺,心筋興奮性亢進に基づく不整脈が出現する。

    【検査所見】(表1

    07_35_低カリウム血症

    病歴:食習慣・摂食状態,間欠的脱力や下痢などの症状,緩下剤や利尿薬,抗菌薬などの治療歴に焦点をあてて病歴を聴取することは,原因を絞り込む上で重要である。

    理学的診察:血圧,体液量,甲状腺機能亢進症,あるいはクッシング症候群など,低K血症をきたす疾患を示唆する所見の有無に注意する。

    一般検査:電解質(Na,K,Cl,Ca,P,Mg),BUN,クレアチニン(Cr),血漿レニン活性(plasma renin activity:PRA),血中アルドステロン濃度(plasma aldosteron concentration:PAC),血中および尿中浸透圧,血算,尿pH,尿中電解質を測定するか,検体を保存しておくと診断に有用である。

    動脈血ガス分析で非アニオンギャップアシドーシスを認める場合,低K性遠位尿細管性アシドーシスか下痢を示唆する。

    尿中K排泄は24時間蓄尿により評価できるが,尿中Cr補正によっても可能である。尿中K排泄が15mEq/日,あるいは15mEq/g・Cr未満の場合,低K血症が腎臓以外の原因であることを示す。

    PRAとPACを測定し,アルドステロン/レニン比(ARR)が>200であった場合,原発性アルドステロン症が疑われる。

    抗菌薬のような非再吸収性アニオンから来る低K血症患者では,尿中Clは通常低下する。また,慢性の低K性アルカローシスの原因として,嘔吐,利尿薬中毒,ギテルマン症候群などがある。

    血中および尿中浸透圧を同時測定し経尿細管K勾配(transtubular K gradient:TTKG)を計算すると,尿細管でのK排泄亢進か,浸透圧利尿によるものかを鑑別できる。

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