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紫斑病性腎炎

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
伊藤麻里江 (東京大学医学系研究科腎臓・内分泌内科)
川上貴久 (東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科)
南学正臣 (東京大学医学系研究科腎臓・内分泌内科教授)
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  • ■疾患メモ

    Henoch-Schönlein紫斑病(別名:IgA血管炎)は小血管にIgAを主とする免疫複合体が沈着する全身性血管炎である。紫斑,関節症状,消化器症状,腎炎が四大徴候で,腎炎の合併は成人で45~85%程度である。紫斑病そのものの90%は小児に発症するが,成人では腎炎を合併することがより多く,進行性腎障害となりやすい。腎病理像はIgA腎症と同様である。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】1)

    紫斑:全症例で隆起性の紫斑が,加重・加圧部位である下腿を中心として両側対称性に出現する。多くは初診時から出現するが,他の症状が先行することもある。安静・減圧により2週間程度で消退する。

    関節症状:2/3程度の症例に合併し,膝・足関節を中心に関節痛が出現する。一過性のものや移動性のものが多い。関節炎にまで至るのは稀で,変形や後遺症は起こさない。

    消化器症状:1/2~2/3の症例に合併する。腸管虚血や浮腫が原因で,十二指腸下行脚や回盲部に多く発症する。症状は疝痛が多いが,重症例では腸重積(成人例では少ない),梗塞,穿孔をきたす。

    腎炎:紫斑発症後1週~3カ月で発症する。顕微鏡的血尿が最も多く,早期の症状である。肉眼的血尿を認める場合もある。尿蛋白は陰性からネフローゼレベルまで,腎機能は正常の場合から急性腎障害,急速進行性糸球体腎炎様になるものまで多様である。高血圧を1/3に発症する。

    【検査所見】

    血清IgAは50~70%で高値となる。

    溶連菌感染を契機とする場合を除き,基本的に補体値は基準範囲内である。

    血小板減少や凝固異常は伴わない。

    皮膚生検で真皮上層の血管壁に白血球破砕性血管炎を認め,血管壁周囲にIgA沈着を認める。24時間以内に出現した新規病変のほうがより特異的なIgA沈着を示す。

    腎生検の所見はIgA腎症と同様で,メサンギウム増殖性糸球体腎炎を主とし,半月体形成をしばしば認める。

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