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潰瘍性大腸炎

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-13
藤井俊光 (東京医科歯科大学消化器内科)
渡辺 守 (東京医科歯科大学消化器内科教授)
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  • ■疾患メモ

    潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)は,特定疾患に指定されている難治性の炎症性腸疾患である。遺伝的素因,環境因子を背景に腸内細菌の存在下で免疫異常をきたし,腸管での免疫寛容が破綻し慢性腸炎が誘導される。

    発症は10代後半~30代にかけての若年に多いが,50~60代での発症も少なくない。

    若年で発症し,生涯にわたり再燃と寛解を繰り返すため,進学,就職,結婚,出産など社会生活へ大きく影響する。

    欧米に多い疾患であったが,近年わが国で急増している。2016年度の統計では20万人を超えていると推計され,世界で2番目に多い国となっており,さらに毎年約1万~1万5千人増加し,既にcommon diseaseとなっている。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    下痢,血便・粘血便がみられる。持続性または反復性の血便・粘血便が特徴的で,他の腸炎の多くを鑑別できる。活動性が直腸のみであると,下痢はなく粘液や粘血のみが排泄される場合もある。

    腹痛は腸蠕動に伴う下腹部痛が中心であるが,重症の場合は腹部全体の自発痛を認める。

    中等症から重症では37~39℃の発熱を伴う。

    重症例では貧血に伴う頻脈がみられる。

    【検査所見】

    便細菌学的検査:感染性腸炎との鑑別に必須である。

    血液・生化学検査:重症度判定および全身状態の評価のために行う。UCにおける炎症の主座は粘膜および粘膜下層であるため,中等症でもCRPは軽度陽性程度にとどまることが多い。

    下部消化管内視鏡:確定診断および病型分類,内視鏡的重症度の評価に必須である。重症例では,苦痛のみならず穿孔のリスクとなるため全大腸観察にこだわる必要はない。直腸から連続したびまん性,全周性の炎症を確認し,内視鏡的重症度を判定する。

    病理組織学的検査:炎症性腸疾患でみられる慢性炎症の所見(杯細胞減少,腺管のねじれ)を確認し,その上で炎症細胞浸潤の分布がびまん性か不均一か,浸潤の部位が粘膜および粘膜下浅層にとどまるか,また類上皮細胞肉芽腫の有無と陰窩との位置関係などでUCかクローン病(Crohn disease:CD)かを判断する。

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