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動物咬傷(哺乳類など)

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-07
池田弘人 (帝京大学医学部附属病院救急科救命救急センター准教授)
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  • ■治療の考え方

    激しい損傷をもたらす哺乳類(クマ,イノシシ,大型犬など)による咬傷の場合は,致死的な損傷となる危険性があり,高エネルギー外傷として救命治療を優先する。

    小型の哺乳類による咬傷の場合は,損傷部位の修復と感染予防対策を主とする。イヌやネコなど,ペットによる咬傷でも感染対策は必要不可欠である。近年は野生動物による咬傷被害も増えており,またペットも多様化しているため十分な知識と準備が求められる。

    咬傷部位が四肢末端に限られ出血も制御されていれば,十分な鎮痛のもとに洗浄し創部の清浄化を図る。一期的縫合閉鎖は行わず,適切な抗菌薬投与の後,二期的に縫合修復する。

    ■病歴聴取のポイント

    どのような動物に咬まれたか,野生かあるいは飼育されているものか,などを尋ねる。ただし,食料を求めて山からおりてきたクマやイノシシに襲われた場合などでは,意識障害をもたらすほどの重篤な状態となり患者本人からの事情聴取が難しいことがある。その場合には,咬み痕や残された獣毛などから判断する。

    ■バイタルサイン・身体診察のポイント

    【バイタル】

    まず,患者に接触し声をかけるなど刺激を与えて,第一印象から重症か否かを判断する。重症であれば,すぐにバイタルサインを測定する必要がある。意識レベルも確認し大きな異常があれば蘇生のための診療にあたる。

    【身体診察】

    主な身体所見は,咬みキズ,出血,組織破壊とそれに伴う疼痛である。主要な動脈を損傷すると活動性出血が持続し,出血性ショックの危険性がある。上肢腕神経叢損傷があれば知覚運動麻痺が生じる。

    重症であれば直ちに脱衣させ,全身をくまなく調べる。重症でなければ,患者の訴えや説明を聞き,損傷部位をじっくりと観察評価する。

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