無料立ち読み フルカラーでやさしくわかる! テーピングの基本 2章:各論 ⑤股関節・大腿のテーピング 2 大腿直筋肉離れ,下前腸骨棘裂離骨折
無料立ち読み フルカラーでやさしくわかる! テーピングの基本 2章:各論 ⑤股関節・大腿のテーピング 2 大腿直筋肉離れ,下前腸骨棘裂離骨折
はじめに
プロサッカー選手やラグビー選手の筋損傷のうち,大腿四頭筋の損傷が最も高頻度に生じる。大腿四頭筋の中でも大腿直筋に最も多い。サッカーやラグビーのように,キックとダッシュを繰り返すスポーツによくみられる。
損傷部位としては,大腿直筋が筋腹で肉離れすることも,近位付着部である下前腸骨棘の裂離骨折をすることもある(図1)。
症状
•受傷時に筋の断裂する音が聞こえることもある
•突然発症の大腿前面痛
•腫脹や皮下出血
•股関節伸展,膝屈曲で疼痛
•筋腹で肉離れの程度が強いと,陥凹を大腿前面に触知できる
•股関節屈曲,膝伸展の筋力低下
発生原因
急激な筋収縮(特に遠心性の筋収縮)をきたす動作が原因となる。
•突発的なスプリント
•キック動作(図2)
テーピングの目的
①大腿直筋のサポート
②大腿直筋(大腿四頭筋)の圧迫による疼痛軽減,筋の伸長制限
③テーピング:膝関節屈曲,股関節伸展を制限し,下前腸骨棘にかかる牽引ストレスや疼痛を軽減する
バンテージ:股関節屈曲補助,伸展制限による疼痛軽減
効用
①大腿直筋の疼痛軽減
②大腿直筋(大腿四頭筋)の圧迫,牽引ストレスの軽減
③股関節屈曲補助,伸展制限
ターゲット
・大腿直筋
・下前腸骨棘
①大腿直筋の疼痛軽減に対するテーピング
スタート姿勢 坐位
テーピングの方法 step by step
〈使用するテープ〉
•キネシオロジーテープ 50mm幅または75mm幅
②大腿直筋(大腿四頭筋)の圧迫,牽引ストレスの軽減に 対するテーピング
スタート姿勢 仰臥位(膝伸展位,もしくは 軽度屈曲位)
テーピングの方法 step by step
〈使用するテープ〉
•非伸縮テープ 38mm幅または50mm幅 (伸縮テープ,バンテージなど)
③股関節屈曲補助,伸展制限に対するテーピング
スタート姿勢 立位
テーピングの方法 step by step
〈使用するテープ〉
•キネシオロジーテープ 50mm幅または75mm幅
もしくは,デニバン®(クレーマージャパン社)など,キネシオロジーテープよりも高強度の伸縮性のテープが好ましい。
•バンテージ 75~150mm幅
テーピングのコツpearlsと注意点pitfalls
•②「大腿直筋(大腿四頭筋)の圧迫,牽引ストレスの軽減に対するテーピング」は,非伸縮テープのほうが圧迫力が高いが,動きづらさがある場合は,膝下に枕などを入れ,膝関節軽度屈曲位で巻く。もしくは,キネシオロジーテープでも代用可能。
•①「大腿直筋の疼痛軽減に対するテーピング」,②「大腿直筋(大腿四頭筋)の圧迫,牽引ストレスの軽減に対するテーピング」はいずれかのみでも,併用してもよい。より強固なサポートが必要な場合は併用する。
•下前腸骨棘裂離骨折においては,医師より運動許可が出ている場合に,再発予防の補助のために行う。
•③「股関節屈曲補助,伸展制限に対するテーピング」は,テーピングとバンテージのいずれか,もしくは併用して巻く。
吉田早織,大内 洋
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