無料立ち読み フルカラーでやさしくわかる! テーピングの基本 2章:各論 ③手・手関節のテーピング 4 TFCC損傷
無料立ち読み フルカラーでやさしくわかる! テーピングの基本 2章:各論 ③手・手関節のテーピング 4 TFCC損傷
はじめに
三角線維軟骨複合体(triangular fibrocartilage complex;TFCC)は,手関節尺側にある軟骨と靱帯の複合組織である(図1)。三角線維軟骨は手をついた際の衝撃を吸収する機能を有し,三角靱帯は回内・回外運動で遠位橈尺関節を安定化する機能を有する。
症状
TFCC損傷を認めても疼痛や不安定性のない患者は多く,このためたまたま撮影したMRIにて偶然見つかる場合がある。
症状としては以下のようなものがある。
・手関節尺屈時や前腕回内外運動時に,手関節尺側に限局した疼痛やクリック
・手関節の筋力低下
・手関節の掌背屈,橈尺屈,回内外などの可動域制限
また,三角靱帯や尺骨茎状突起基部骨折などで遠位橈尺関節が不安定になり,尺骨頭が亜脱臼や脱臼をきたすこともある。
▶ 検査
TFCC損傷の重要な検査法として,尺骨頭ストレステスト(ulnocarpal stress test)が挙げられる。これは,前腕を回内外しつつ手関節の尺屈を強制することで疼痛の有無を確認するという方法である(図2)。
発生原因
TFCCは,加齢的な変化で関節円板の穿孔をきたすことが多いが,新鮮外傷でも損傷する。手をついて転倒して手関節に回旋力が加わる場合や,手関節をねじるラケットスポーツのようなスポーツで発生しやすい。
テーピングの目的
遠位橈尺関節の圧迫,固定による疼痛軽減を目的とする。
効用
①遠位橈尺関節の安定化(主に背屈時痛の軽減)
②手関節尺屈制限(主に尺屈時痛の軽減)
③回内制限(主に回内時痛の軽減)
ターゲット
・TFCC
TFCC損傷に対するテーピング
スタート姿勢 坐位もしくは立位
テーピングの方法 step by step
〈使用するテープ〉
•①キネシオロジーテープ 38mm幅または50mm幅
非伸縮テープ 38mm幅または50mm幅
•②,③キネシオロジーテープ 38mm幅または50mm幅
テーピングのコツpearlsと注意点pitfalls
•疼痛が出る運動方向に対応し,❶,❷,❸の巻き方を使い分けたり,併用したりするとよい。
•❸で手関節をやや橈屈・屈曲させて巻くと,尺屈・背屈制限になる。
•❸で手関節に1周巻くときも,❶のように尺骨遠位端を押えることを意識すると固定力を強化できる。
吉田早織,大内 洋
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