このうち厚生労働省は、患者が自分の画像や手術動画などを希望することが増えており、記録媒体など一定の費用が生じるなどの観点から、「画像・動画情報を提供する場合」、費用徴収が可能であることを明記する方針を、27日の中央社会保険医療協議会総会(田辺国昭会長)に提示。概ね了承された。ただし、患者が他の医療機関の医師から助言を得ることなどを目的とする場合は医療連携に当たり、「療養の給付と直接関係ないサービスに含まれない」ことから、患者から費用聴取ができないと整理した。このほか、「公的な手続き等を代行した場合」の費用も選定療養の対象に追加される。
厚労省保険局の迫井正深医療課長は「画像などの情報自体は患者のものとの見方もできるが、情報を記録するには費用が生じる。今回は療養給付に該当せず、費用負担が生じるものについて、その所在を明確に整理した」と説明した。
また、既存の選定療養の範囲の見直しを行う。現行では180日超の入院患者 であっても、重度の肢体不自由者等17類型の状態にある患者については費用徴収を禁止しているが、禁止する対象に「造血幹細胞移植後または臓器移植後の拒絶反応に対する治療を実施している患者」を明記する。こうした患者については、入院が長期になる上に、退院後1月以内の再入院も少なくない。状態としては17類型の「難病患者等入院診療加算を算定する患者」に該当するが、退院後1月以内の再入院は新たに入院起算日を設けることが診療報酬上認められていないため、180日超の入院患者は費用徴収の対象となっており、制度上の整合性を図ることが狙いだ。