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担がん患者における糖尿病治療の留意点は?

No.5021 (2020年07月18日発行) P.52

建石良介  (東京大学大学院医学系研究科消化器内科学講師)

大橋 健  (国立がん研究センター中央病院総合内科長)

登録日: 2020-07-15

最終更新日: 2020-07-14

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  • 担がん患者における糖尿病治療の留意点について,ご教示下さい。
    国立がん研究センター中央病院・大橋 健先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    建石良介 東京大学大学院医学系研究科消化器内科学講師


    【回答】

     【適切な血糖モニタリングとシックデイに関する十分な指導を】

    肝胆膵の悪性腫瘍において糖尿病合併例が多いことは,日頃からご経験の通りです。たとえば,わが国の膵癌登録報告1)によると,膵癌患者の既往歴では糖尿病が25.9%と最多です。さらに,膵癌は糖尿病発症1~3年以内に診断されることが最も多く2),膵癌自体が糖尿病を惹起していると考えられます。一方,糖尿病患者では,肝臓癌および膵癌のリスクがそれぞれ2.5倍および1.8倍に増加することも明らかになりました3)

    したがって,肝胆膵の担がん患者では糖尿病合併の可能性を常に念頭に置き,明らかな糖尿病の既往がなくても,治療開始前には血糖値とHbA1cによるスクリーニングを行うべきです。その際,肝硬変合併例では脾機能亢進による赤血球寿命の短縮からHbA1cが実際の血糖コントロールより低値になりやすいため,グリコアルブミンの測定が推奨されます。また,FOLFIRINOX(5-FU,イリノテカン,オキサリプラチン,レボホリナート)療法のように制吐薬として大量のデキサメタゾン投与を含むレジメンでは,もともと糖尿病がなくても治療中に糖尿病が顕性化し,著明な高血糖を呈することが少なくありません。担がん患者では定期的な血糖測定が必須です。

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