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がん・生殖医療の現状とオンコロジストが知っておくべき診療は?

No.4930 (2018年10月20日発行) P.57

田部 宏 (国立がん研究センター東病院婦人科科長)

鴨下桂子 (東京慈恵会医科大学産婦人科学講座)

登録日: 2018-10-20

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  • がん・生殖医療の現状とオンコロジストが知っておくべきがん・生殖医療の診療について教えて下さい。東京慈恵会医科大学・鴨下桂子先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    田部 宏 国立がん研究センター東病院婦人科科長


    【回答】

    【時間との戦いでもあるため,迅速で綿密な連携が重要となる】

    がん・生殖医療は,がん治療と生殖医療の両者の発展で生まれた概念で,がん治療により著しく低下してしまう可能性のある妊孕性を,何らかの手段で温存する医療です。女性における妊孕性温存療法は現在,胚凍結,卵子凍結,卵巣組織凍結の3種類があり,がん治療開始までの限られた期間の中,患者背景や月経周期,本人の希望をもとに,可能な方法を選択していくことが求められます。

    現在,世界中の各地域で,がん・生殖医療の標準化や情報共有,がん患者に対する啓発と治療の提供を目的としたネットワークの構築が行われており,わが国では,聖マリアンナ医科大学の鈴木 直教授を中心に,日本がん・生殖医療学会が設立されています。2017年度には日本癌治療学会から「小児,思春期・若年がん患者の妊孕性温存に関する診療ガイドライン 2017年版」が刊行され,治療の標準化に向け大きく前進しました。

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