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MEN1型の原発性副甲状腺機能亢進症の手術術式【海外では亜全摘術が主流だが,わが国では全摘術+自家移植術が選択されることが多い】

No.4894 (2018年02月10日発行) P.55

鈴木眞一 (福島県立医科大学甲状腺内分泌学教授)

日比八束 (藤田保健衛生大学医学部医学科一般外科講座内分泌外科部門教授)

登録日: 2018-02-11

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  • 多発性内分泌腫瘍症(multiple endocrine neoplasia:MEN)1型に伴う原発性副甲状腺機能亢進症の場合,多腺腫大を呈しますが,家族調査等で発見される若年では必ずしも全腺腫大を術前画像診断では確認できない,非対称性腫大を認めることがあります。MEN1遺伝子変異があり,補正Ca 11.5mg/dL,intact-PTH 150pg/mLで,術前画像診断で右下腺腫大のみ認められる20歳代女性の症例の場合,術式はどのようにすればよいでしょうか。藤田保健衛生大学・日比八束先生にお尋ねします。

    【質問者】

    鈴木眞一 福島県立医科大学甲状腺内分泌学教授


    【回答】

    ご質問のありました症例は若い女性ですので,最小限の長さの切開と頸部検索により右下腺のみを摘出する,いわゆるminimally invasive surgeryを希望されるかもしれません。ただし多腺腫大症例では,局在診断の感度は低下するため1)2),術前画像診断だけで右下腺のみの単腺腫大であると診断するのは,散発性腫症例に比べリスクが高いと考えます。そこで術中迅速PTH測定が可能な施設では,それを用いて,術前に局在診断された腫大副甲状腺以外にPTHを過剰産生している副甲状腺がないことを術中に確認できますので,この症例でminimally invasive surgeryを施行するのであれば,術中迅速PTH測定は必須と考えます。

    過去の報告では全摘術+自家移植術あるいは亜全摘術を予定術式としてMEN1型の原発性副甲状腺機能亢進症症例に対し両側検索をした結果,3腺未満しか摘出しなかった症例の頸部再発例はやはり多いものが目立ちます3)〜5)。つまり,MEN1型の原発性副甲状腺機能亢進症では腫大腺の画像診断の感度が低下するため,他の腫大腺を見逃す結果となる場合以外でも,仮に発症した時点では単腺腫大であっても,将来的には他の副甲状腺が腫大してくるリスクはやはり低くないと考えられます。

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