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原因分析報告書の送付以降で損害賠償請求2.1%【産科医療補償制度運営委員会】

No.4894 (2018年02月10日発行) P.13

登録日: 2018-02-01

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日本医療機能評価機構は1月31日、産科医療補償制度の実施状況を運営委員会に報告した。原因分析報告書が送付された後に損害賠償請求が行われた事案は昨年末時点で2.1%(34件)だった。

同制度は分娩に関連して発症した脳性麻痺児と家族に総額3000万円の補償を行うとともに、脳性麻痺の原因を分析し、再発防止策を検討する制度。分娩機関が法律上の損害賠償責任を負う場合には、同制度から支払われる補償金と損害賠償金の調整を行うことになっている。

機構によると、2009年の制度開始から2017年12月末までの9年間で補償対象とされたのは2233件、原因分析報告書が送付されたのは1649件。このうち報告書送付日以降に損害賠償請求が行われた事案は34件(2.1%)だった。

■補償対象外のうち不服申し立ては16%

同日の運営委員会ではこのほか、審査がすでに完了している2009年から11年までに出生した児の事案において、補償対象外とされた430件のうち70件(16%)から不服申立があったことが報告された。

同制度は先天性要因による脳性麻痺は除外基準の1つとなっているが、不服申立の中には「生後より実施された様々な検査では、先天異常を指摘されたことがないため、先天性要因による脳性麻痺に該当すると判断されたことに納得がいかない」との意見があることが紹介された。

これに対し委員からは、主治医が疾患の説明をする際に先天性とまでは伝えていない可能性が指摘された。また、不服申立全般について「除外基準に該当することは理解しても『やりきれない』という思いがあるのではないか」との指摘もなされた。そうした意見を踏まえ小林廉毅委員長(東大)は、今後は補償対象外となった脳性麻痺児・家族に対し、より丁寧な説明を行うことを機構に要請した。

今年で10年目を迎える産科医療補償制度について審議する運営委員会

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