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腹痛時に意識障害をきたす妊婦の出産時の留意点は?【発症の原因と対処を事前にコンサルトし,発作発生を想定して出産に臨む】

No.4893 (2018年02月03日発行) P.57

桑田知之 (自治医科大学附属さいたま医療センター周産期科教授)

登録日: 2018-02-03

最終更新日: 2018-01-30

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  • 出産前の初産婦。日頃便秘,下痢等で腹痛が強いとき,自律神経等の影響と思われますが,顔面蒼白,発汗,目がくらむなどの症状を現し,一時的に意識も朦朧となると言います。一応,その場で自然に回復するようです。無痛分娩は拒否しており,正常分娩と仮定して,陣痛時には鎮痛・鎮静薬,陣痛促進薬程度の処置で母子ともに生命に別状なく出産可能かどうか,本人が心配しています。どのように答えればよいでしょうか。また,実際どう処置するのが一般的か,ご教示下さい。

    (東京都 N)


    【回答】

    ご質問のような,便秘や下痢で腹痛が強いときに意識が朦朧となる状況は,いわゆる状況失神と呼ばれるものだと思います。状況失神は,神経調節性失神症候群に含まれる病態で,排尿・排便や嚥下,息ごらえに起因するものなどが知られています1)。これらは失神発作を引き起こしますが,異なる神経反射受容器により発症することが知られています。排便失神では,腸管の機械受容器が関連していることが知られていますが,分娩時の下腹部痛(子宮収縮痛)では同受容器が刺激されるとは限らないため,必ずしも意識障害をきたすかどうかはわかりません。実際に同様の神経調節性失神症候群を持つ患者の妊娠を何度か経験したことがあります。発作が起こってもよいように準備をしてお産に臨みましたが,幸い失神発作は起こりませんでした。

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