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(1)開業医における副鼻腔炎診療の実際 [特集:副鼻腔炎診療update]

No.4800 (2016年04月23日発行) P.24

唐木將行 (田中耳鼻咽喉科院長)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-01-26

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  • 軽症の急性副鼻腔炎に抗菌薬は必要ない。しかし,症状が増悪した場合や重症化した場合は適切な抗菌薬の投与が必要となる

    14員環マクロライド系抗菌薬療法にて治療効果が期待できるが,近年,マクロライド療法に抵抗性を示し,全身性ステロイド治療にしか反応しない難治性副鼻腔炎が増加している。特にアスピリン不耐症を伴う気管支喘息を合併した好酸球性副鼻腔炎が増加している

    保存的治療を数カ月行うも症状の改善を認めない症例では手術療法を考慮する

    1. 副鼻腔炎とは

    副鼻腔炎とは副鼻腔が炎症を起こした疾患を指し,症状として,鼻閉,膿性鼻漏・後鼻漏,頭痛や頬部痛,嗅覚障害などを呈する。
    ウイルス感染などによる上気道炎から続発する,副鼻腔の細菌感染による急性副鼻腔炎が大多数を占める。急性副鼻腔炎が完全に治癒せず,副鼻腔内の炎症が遷延,持続した病態を慢性副鼻腔炎と呼ぶ。しかし,ウイルス感染,細菌感染とは関係なく発症する副鼻腔炎も存在する。上顎歯(特に臼歯)の歯根部の炎症が上顎洞に波及する歯性上顎洞炎や真菌感染からの発症,アレルギー性鼻炎の増悪に伴う症例,気管支喘息の増悪に伴い,突然の鼻ポリープ形成を起こす症例も存在する。
    ウイルス感染などによる上気道炎から続発する副鼻腔炎では,急性炎症が主体で抗菌薬などの保存的治療により4週間以内に改善する急性副鼻腔炎と,8週間以上症状が遷延する慢性副鼻腔炎にわけられる。
    わが国での慢性副鼻腔炎は抗菌薬の使用に伴い,1990年頃までは減少傾向にあった。さらに内視鏡下鼻副鼻腔手術(endoscopic sinus surgery:ESS)の普及とともに,副鼻腔炎の制御が可能となった。しかし,アレルギー性鼻炎の増加とともに,副鼻腔炎は再度増加傾向に転じた。従来は,細菌感染による急性副鼻腔炎の遷延や反復により慢性化した副鼻腔炎が大多数であった。近年では,アレルギー性鼻炎を合併した慢性副鼻腔炎や気管支喘息を合併し嗅覚障害や鼻ポリープが先行する副鼻腔炎が増加し,特にアスピリン不耐症を伴う気管支喘息を合併する好酸球性副鼻腔炎と呼ばれる難治性副鼻腔炎が増加してきている。

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