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特集:ロタウイルスワクチン定期接種化への課題:徹底解析

No.4782 (2015年12月19日発行) P.19

中込 治 (長崎大学大学院医歯薬学総合研究科感染免疫学講座教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-01-31

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監修:中込 治(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科感染免疫学講座教授)

ロタウイルス胃腸炎の克服はグローバルな課題であり,ワクチンが開発されている。わが国で製造販売承認されているのは単価(ロタリックス)および5価(ロタテック)ワクチンである。ワクチンの定期接種化に向けては,①わが国の疾病負担はどのくらいで,現行のワクチンには医療経済的に見合う効果が期待できるのか,②腸重積症の誘発という副反応のリスクをどう判断すべきか,という2つの解決すべき課題がある。これらは,わが国固有の状況の中で判断されなければならない。すなわち,発展途上国に重点をおく世界保健機関(WHO)の立場や,米国疾病管理センター(CDC)が国内問題に対してとる立場とも同一ではありえない。この特集を徹底解析と銘打ち,問題を3つに分解し,神谷 元,岩田 敏,野口篤子および中込とよ子氏に解説をお願いしたのは,ロタウイルスワクチンの定期接種化に関する政策判断が,世界的に一様にとらえられる性質の問題ではないことを理解して頂くためである。

1 グローバルレベルでのロタウイルスワクチン
国立感染症研究所感染症疫学センター主任研究官 神谷 元

2 わが国におけるロタウイルスワクチンの課題─効果と費用対効果とその評価
慶應義塾大学医学部感染症学教室教授 岩田 敏

3 わが国におけるロタウイルスワクチンの課題─腸重積症のリスクとその評価
秋田大学大学院医学系研究科小児科学 野口篤子
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科分子標的医学研究センター特任研究員 中込とよ子

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