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神経障害性瘙痒の薬物治療【神経障害性疼痛の治療薬が有用である】

No.4873 (2017年09月16日発行) P.56

關山裕詩 (帝京大学麻酔科病院教授)

登録日: 2017-09-19

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かゆみの分類としては,皮膚疾患由来の末梢性瘙痒,肝疾患・腎不全やオピオイド使用に伴う全身性瘙痒,そして帯状疱疹後瘙痒,腕橈骨瘙痒,多発性硬化症などの神経障害に伴う神経障害性瘙痒などが挙げられる。

末梢性瘙痒がかゆみの基本でありこれまでよく研究されてきたが,神経障害性瘙痒については不明な点が多かった。しかし,ここ10年のかゆみメカニズムの解明により,その機序や治療の端緒が見えてきた。2007年のITCH geneとされるガストリン放出ペプチド受容体の発見に始まり,B型ナトリウム利尿ペプチドの関与1),介在ニューロンのB5-Iニューロンやκオピオイド受容体の関与など,続々解明されつつある。

神経障害性瘙痒の治療については,神経障害性疼痛の治療薬が使用できる。ただし,off-label使用であることには注意を要する。電位依存性Caチャネルα2δサブユニットに作用するプレガバリンや,下行性抑制系を賦活化する抗うつ薬,三環系抗うつ薬であるアミトリプチリンやSSRIであるパキシル®などが有効である2)。また,κオピオイド受容体作動薬はB5-Iニューロンを活性化するとされ,治療薬の候補と言える。

【文献】

1) Misery L, et al:Nat Rev Neurol. 2014;10(7): 408-16.

2) Yosipovitch G, et al:N Engl J Med. 2013;368 (17):1625-34.

【解説】

關山裕詩 帝京大学麻酔科病院教授

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