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「短命県返上」を目指した取り組みとは?(中路重之 弘前大院特任教授)【この人に聞きたい】

No.4872 (2017年09月09日発行) P.8

中路重之 (弘前大院特任教授)

登録日: 2017-09-08

最終更新日: 2017-09-07

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  • 健康づくりは「世の中づくり」
    市民1人1人の知識や意識のレベルを上げ
    青森県全体を巻き込んで、盛り上げる

     

    厚生労働省は6月、「2015年都道府県別年齢調整死亡率」を公表した。5年に1度の調査で男性は6回連続、女性は2回連続でともにワースト1だったのが青森県だ。この地で「短命県返上」を掲げ、健康づくりに情熱を燃やす、弘前大院社会医学講座の中路重之特任教授に取り組みを伺った。

    健康づくりは「世の中づくり」

    ─「短命県」の現状を教えてください。

    生活習慣が悪い、健診受診率が悪いなど、短命県のゆえんはある程度分かっています。しかし、どうすればいいのかという答えがない。例えば、青森県民には喫煙者が多いと指摘されていますが、新聞で禁煙を訴える記事を書いたところで、喫煙者は読みません。人を引っ張っていく立場である社会医学の専門家として、答えを追究すべきだと考えました。

    死亡率が全国で最も低い長野県と比べ、青森県では年間約2800人、15%もの人が余計に亡くなっているのです。これは、医療の差ではなく、市民の差です。

    米第16代大統領のリンカーンは、「人民の、人民による、人民のための政治」として民主主義を訴えました。健康づくりの理念は、「人民の、人民による、人民のための健康」です。民主主義と同様に、市民1人1人の知識や意識のレベルを上げる必要があります。そのためには、医師だけが一生懸命研究しても仕方ない。何か1つのものをポンと開発したら健康になるというのは幻想です。多くの人を巻き込んで、世の中を変える必要があります。そのプラットフォームとして始めたのが、「岩木健康増進プロジェクト」です。

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