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経口抗凝固薬(DOAC)の相互作用【生物学的利用率が1つの判断基準になるが,説明のつかない例もある】

No.4868 (2017年08月12日発行) P.52

松本直樹 (聖マリアンナ医科大学薬理学教授)

登録日: 2017-08-10

最終更新日: 2017-08-07

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ワルファリンは相互作用が多くて使いにくい。そこに最も影響する薬物代謝酵素CYP3A4は関係薬物が多く,相互作用頻発の要因である。薬物開発時にはこの酵素を避けるように努力するのであるが,皮肉なことに,新規開発のDOAC(直接作用型経口抗凝固薬)の多くもこの酵素によって代謝される。さらに,相互作用に関連するトランスポーターのうち,最も重要と言われるP糖蛋白も関係が深い。これらの事実だけを見ると,DOACもワルファリンと同様に相互作用が心配になる。しかし,DOACではそれほど大きく影響しない例が多い点は興味深い。

薬の特徴をチェックする際には,ぜひとも「生物学的利用率」を見てほしい。リバーロキサバンは80%程度で,経口投与量のほとんどが血中に現れることを意味する。つまり,代謝酵素やトランスポーターの影響を受けにくく,代謝酵素がCYP 3A4でも心配は少ない。一方,エドキサバンは主にP糖蛋白の影響を受けるが,生物学的利用率は50%程度で,血中濃度に対する影響は予想通り2倍程度の血中濃度となり,わかりやすい。また,ダビガトランの生物学的利用率は6%なので影響が大きいように思われるが,単純拡散による吸収の悪さが原因で,P糖蛋白の影響は小さい。さらに,アピキサバンの生物学的利用率は60%程度,代謝酵素はCYP3A4であるが,相互作用の報告は少なく,詳細なメカニズムには不明点が多い。いろいろと研究の余地は大きい。

【解説】

松本直樹 聖マリアンナ医科大学薬理学教授

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