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CASE09 徐脈と高カリウム血症/非ステロイド性抗炎症薬服用後に徐脈をきたした80歳女性[CAUTION! 臨床検査値の落とし穴]

No.4692 (2014年03月29日発行) P.35

栗田康生 (国際医療福祉大学三田病院心臓血管センター准教授)

登録日: 2014-03-22

最終更新日: 2017-07-31

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  • 【症例紹介】

    介助あれば歩行可能で体格は小柄な80歳の女性。糖尿病はなく家族歴に特記すべきことはないが,高血圧とリウマチ疾患治療中で,最近は疼痛が強く,非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を常用していた。4月上旬よりデイサービスの血圧測定時に脈拍が40/分前後と遅く,労作での変動はないことが指摘されていた。徐々に倦怠感が強くなり,食欲不振も出現したため4月16日来院。入院時の血液検査所見(表1)では腎機能データ異常と,肝機能データ異常,高カリウム血症を認めた。入院時の心電図(図1)は,洞性P波を認めず,著明な洞停止と40/分の接合部性補充調律で,テント状T波を認めた。



    検査値のどこに悩んだか

    本例は肝機能,腎機能の異常と高カリウム血症を認めた。これらがそれぞれどのように関連しているのか,あるいは別々の要因によるものであるのか。さらに徐脈は病態の原因なのか,結果なのか。

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