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ウイルス性結膜炎罹患者の出勤停止期間は?【通常は発症後10日だが,感染性の有無が基準】

No.4861 (2017年06月24日発行) P.59

内尾英一 (福岡大学医学部眼科主任教授)

登録日: 2017-06-20

最終更新日: 2017-06-20

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  • ウイルス性結膜炎〔特に,アデノウイルス(adenovirus:AdV)結膜炎〕に罹患した成人の就労患者においては,出勤停止期間はどのくらいとるものと考えるべきでしょうか

    (岐阜県 K)


    【回答】

    (1)アデノウイルス(AdV)結膜炎の病態
    ウイルス性結膜炎を引き起こす代表的な原因ウイルスは,わが国ではAdVとエンテロウイルスですが,後者による急性出血性結膜炎は10年以上の周期をもって沖縄でのみ大流行を生じているため,本稿ではAdV結膜炎を対象に解説します。

    AdV結膜炎は潜伏期間7~10日で発症します。典型的なAdV結膜炎においては,急性濾胞性結膜炎,角膜上皮下混濁,耳前リンパ節腫脹がみられます。型の類型を意味する種によって臨床症状が異なり,流行性角結膜炎と咽頭結膜熱とに区別されますが,患者の年齢やアトピー性皮膚炎などの全身,局所の免疫状態によって異なることが多く,これらは総称してAdV結膜炎として取り扱われます。

    臨床症状は発症後5~8日頃に最も強くなり,以後軽快します。法律的には,学校保健安全法上において,流行性角結膜炎が「学校医その他の医師において伝染のおそれがないと認めるまで出席停止(第三種)」,咽頭結膜熱が「主要症状が消退した後2日を経過するまで出席停止(第二種)」と定められており,社会人に対しての取り扱いはこれに準じて考えることになります。

    感染性がどれくらいあるかですが,AdV結膜炎が基本的に自然治癒傾向なのは,産生された中和抗体価が上昇するためです。感染性は通常は発症後10日頃までと考えられ,これが出勤停止期間の一般的な目処と言えます。角膜知覚と生体共焦点顕微鏡をAdV結膜炎経過中に同時に行った検討からは,約9病日までに角膜知覚低下があり,その時期に生体共焦点顕微鏡によって,円形炎症細胞や樹状細胞の浸潤が角膜上皮にみられていたと報告されており,ほぼ上記の感染可能時期に合致することが,最近の研究でも明らかになっています1)

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