株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

先天性横隔膜ヘルニアにおける周術期呼吸管理の変遷,内視鏡手術の適応と注意点や工夫【胸腔鏡手術例が増加。術中呼吸管理や高い再発率が課題】

No.4860 (2017年06月17日発行) P.57

矢内俊裕 (茨城県立こども病院小児外科・小児泌尿器科部長)

岡崎任晴 (順天堂大学医学部附属浦安病院小児外科先任准教授)

登録日: 2017-06-14

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 先天性横隔膜ヘルニア(congenital diaphragmatic hernia:CDH)においては,救命および安全な手術のためにも周術期の呼吸管理が重要ですが,その変遷についてご教示下さい。
    また,従来は開腹手術による欠損孔縫合閉鎖が施行されてきましたが,最近では内視鏡手術が普及しており,胸腔鏡または腹腔鏡手術に際し,手術適応の決定方法,手術時の体位,トロッカーの配置,縫合操作における注意点や工夫,縫合閉鎖困難な場合の対応などについて,順天堂大学浦安病院・岡崎任晴先生のご教示をお願いします。

    【質問者】

    矢内俊裕 茨城県立こども病院小児外科・小児泌尿器科 部長


    【回答】

    CDHは,古くは出生直後の緊急手術の適応でした。1990年代に入りpreoperative stabilizationの概念,膜型人工肺,高頻度振動換気法(high frequency oscillatory ventilation:HFOV),一酸化窒素(NO)吸入療法の導入により,CDHは待機手術が一般的となりました。近年,gentle ventilation,permissive hypercapniaの呼吸管理により,生存率も改善してきています。手術に関しては,1995年に遅発型CDHに対する内視鏡手術が報告され,その後は新生児CDHに対しても主に胸腔鏡手術(thoracic repair:TR)が普及しています。

    TRの適応は報告者により多様です。私たちは(1)患側上の側臥位(術中の体位)で呼吸循環動態が安定,(2)用手換気で呼吸管理が可能(手術室まで搬送可能),の2点を適応基準としています。3ポート(①第4肋間前腋窩線,②肩甲骨下端,③鎖骨中線,で①のレベル),人工気胸圧6~8mmHgで,脱出臓器を腹腔内に還納後は,可能な限り気胸圧を低下させます。直接縫合閉鎖を基本とします。外側の縫合が困難な際には,体外から針糸を通して縫合することがあります。近年ではパッチ閉鎖も施行され,再発率の改善が報告されています。

    残り520文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連求人情報

    関連物件情報

    もっと見る

    page top