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【他科への手紙】小児科→学校心臓検診委員の先生

No.4829 (2016年11月12日発行) P.47

吉永正夫 (国立病院機構鹿児島医療センター小児科)

登録日: 2016-11-11

最終更新日: 2016-11-09

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  • 学校心臓検診(心検)に関わっている先生方から、よく「なぜ今までの方法ではいけないのか」という質問をされます。私が関心を持っているQT延長の分野においてその理由をお答えすると、「今までの方法・事実」に基づいていては、不都合が生じることが判明してきたからです。

    欧米では主に「症状を起こした小児」を診察しています。また、QT時間の補正式にはBazett法{(QT)/(RR)1/2}を用い、そのQTc値が0.48以上なら無症状でも治療を推奨しています。QT延長症候群の頻度は低く(2000~2万人に1人)、一方で成人までに心停止を起こす頻度は高く(数%~10%台)報告されてきました。

    日本には心検があり、「症状を起こす前(あるいは一生症状を起こさない)」の小児を含め、すべてのQT延長児を診察しています。小児のQT時間の補正式にはFridericia法{(QT)/(RR)1/3}を用いる必要があり、心検での抽出率は小1で約3300人、中1で約1000人に1人であることがわかりました。心検で診断された小児が心停止を起こす頻度は、今後の検討課題でもありますが、1 %程度と予測されています(未発表データ)。

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