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CTP検出検査による外リンパ瘻診断 【低侵襲の検査で客観的に判定が可能】

No.4794 (2016年03月12日発行) P.49

松田 帆 (埼玉医科大学耳鼻咽喉科)

池園哲郎 (埼玉医科大学耳鼻咽喉科教授)

登録日: 2016-03-12

最終更新日: 2016-10-26

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外リンパ瘻は,内耳リンパ腔と周囲臓器の間に瘻孔が生じ,難聴,めまいをきたす疾患である。しかし,難聴の経過や重症度,めまいの性状や持続期間は多彩であり,確定診断は容易ではなかった。これまでは中耳所見を手術的に確認して外リンパ漏出の有無を判断していたが,この診断法はきわめて主観的で,外リンパの漏出を確認できるか,疑問視されていた。
筆者らは新たな診断マーカーであるCTP(cochlin─tomoprotein)が外リンパ特異的蛋白であることを見出した(文献1)。そのため,CTPが中耳から検出されれば外リンパ液の中耳への漏出を診断できる。CTP検出検査では,鼓膜に小さな穴をあけ,その穴から生理食塩水を注入し,その注入液を回収して検体をELISA法により検査し,陽性・陰性を判定している。このCTP検出検査は,手術による漏出の有無の判定と比較して,外来で行うことが可能なほど侵襲性が低く,かつ客観的に漏出の有無が判定できるという利点がある。
わが国では外リンパ瘻は,長らく急性難聴を引き起こす突発性難聴の鑑別疾患と考えられてきた。しかしCTP検出検査により外リンパ瘻と診断された患者の中には,進行性の難聴患者や,難聴を認めず,めまいのみを自覚する患者が含まれていることがわかってきた。外リンパ瘻の場合,手術により瘻孔部を筋膜などにより閉鎖することで,多くの場合めまいの改善が得られる。今後,CTP検出検査の普及により外リンパ瘻の診断精度が飛躍的に向上することが期待される。

【文献】


1) Ikezono T, et al:Acta Otolaryngol. 2010;130(8):881-7.

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