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ISSVA分類と静脈奇形(海綿状血管腫)における経皮的硬化療法

No.4773 (2015年10月17日発行) P.53

長尾宗朝 (岩手医科大学形成外科)

柏 克彦 (岩手医科大学形成外科特任教授)

小林誠一郎 (岩手医科大学形成外科教授)

登録日: 2015-10-17

最終更新日: 2016-10-26

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血管腫やリンパ管腫は用語に多少の混乱がみられたが,1996年のISSVA(International Society for the Study of Vascular Anomalies)分類により,血管性病変は血管腫(hemangioma)と血管奇形(vascular malformation)に大別された。これに伴い,海綿状血管腫は静脈奇形(venous malformation)に分類されている(文献1)。
静脈奇形では,青紫調の皮膚変化や腫脹,疼痛が経年的に進行する。巨大病変や全身多発病変では,病変内での血液凝固によるフィブリノーゲンの大量消費が生じて,localized intravascular coagulopathy(LIC)と言われる病態を呈し,外傷や手術などを契機として止血困難をきたすことがある。
本症の治療は,体表に限局する病変であれば切除の適応となるが,巨大な病変や前述の凝固異常例では硬化療法が主体となる。
硬化剤としては,無水エタノール,ポリドカノール,モノエタノールアミンオレイン酸塩が用いられることが多い。いまだ難治な症例が数多く存在しているが,硬化療法の発展により,低侵襲かつ,出血や瘢痕形成を伴わない症状改善が可能となってきている(文献2)。

【文献】


1) ISSVAホームページ. [http://www.issva.org/]
2) 佐々木 了:形成外科. 2012;55(11):1205-13.

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