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肺癌診療における気管支鏡の役割:インターベンションの適用

No.4770 (2015年09月26日発行) P.55

中島崇裕 (千葉大学呼吸器外科)

吉野一郎 (千葉大学呼吸器病態外科教授)

登録日: 2015-09-26

最終更新日: 2016-10-26

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気管支鏡は1950年代に硬性鏡として開発され,1990年代以降は電子ファイバースコープへ進化・普及した。最近では周辺技術の進歩とともに目覚ましい進歩を遂げ,肺癌診療における役割がますます重要になっている。
300倍以上の拡大技術や共焦点技術の応用は微細構造の観察を可能にした(文献1)。超音波気管支鏡はラジアル型プローブとガイドシースの組み合わせで末梢肺病変の診断率を向上させた(文献2)。コンベックス走査式超音波内視鏡は気道周囲病変への低侵襲な質的診断を可能とし,病期診断の基軸となりつつある(文献3)。CT画像情報,磁気センサーと組み合わせたナビゲーションへの進歩は目覚ましく(文献2),最近では光学系を持たないスコープも発表された。
気道病変に対する治療には様々なインターベンションが適用されている。光線力学的治療は,腫瘍親和性光感受性物質の全身投与と,気管支鏡を用いた励起光の局所照射による中心型早期肺癌の治療法である(文献4)。気道狭窄に適用されるレーザー治療は固形媒体のYAGなどから半導体に移行した。同様の目的で留置される気道ステントにはシリコン製,金属製,そしてハイブリッド型があるが,理想型への追求はまだ途上である(文献5)。

【文献】


1) Nakajima T, et al:Clin Chest Med. 2013;34(3):373-83.
2) Rivera MP, et al:Chest. 2013;143(5 Suppl):e142S-65S.
3) Nakajima T, et al:Gen Thorac Cardiovasc Surg. 2013;61(7):390-6.
4) Ikeda N, et al:Lasers Surg Med. 2011;43(7):749-54.
5) Dutau H, et al:Expert Rev Respir Med. 2014;8(2):179-90.

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