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MTX関連リンパ増殖性疾患

No.4742 (2015年03月14日発行) P.45

荒井俊也 (東京大学血液・腫瘍内科講師)

黒川峰夫 (東京大学血液・腫瘍内科教授)

登録日: 2015-03-14

最終更新日: 2018-11-27

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医原性の免疫不全に関連したリンパ増殖性疾患(lymphoproliferative disorder:LPD)は,免疫抑制剤投与中,特に関節リウマチ(RA)に対してメトトレキサート(MTX)を用いている場合にしばしば発症する。MTX投与開始からLPD発症までの期間は一定ではない。MTX治療中に原因不明の発熱,寝汗,体重減少,リンパ節腫大,肝脾腫,LDH高値を認めた場合,本症を疑う必要がある。皮膚や肺などのリンパ節外病変から発症することも多い。組織学的にはB細胞性非ホジキンリンパ腫が多く,ホジキンリンパ腫,T細胞性非ホジキンリンパ腫,またリンパ腫とは言えないBリンパ球増殖像を示すケースもある。
発症機序は不明であるが,半数以上の症例のリンパ球はEpstein-Barrウイルス(EBV)陽性であり,RA患者では疾患自体やMTXなどの影響で細胞傷害性Tリンパ球の機能が低下していることから,少なくとも一部ではEBV陽性細胞への免疫反応の低下が関与している。MTX中止のみで約半数の症例で病変が消失する。特にEBV陽性例では有効である(文献1)。有効例の多くは中止後1カ月以内には明らかな改善を認めるので,本症を診断した際には即座には化学療法を行わず,まずMTXを中止し,それで改善がみられない場合に化学療法を考慮することが原則である。軽快した場合のMTX再投与は避けるべきである。

【文献】


1) Ichikawa A, et al:Eur J Haematol. 2013;91(1): 20-8.

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