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末梢性顔面神経麻痺の治療:最近の動向

No.4737 (2015年02月07日発行) P.53

古田 康 (手稲渓仁会病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科部長/北海道大学客員教授)

福田 諭 (北海道大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科教授)

登録日: 2015-02-07

最終更新日: 2016-10-26

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末梢性顔面神経麻痺の6~7割を占めるBell麻痺においては,ステロイド療法が広く行われており,多くのメタアナリシス,ガイドラインにおいてもその有用性が検証されている。Bell麻痺は単純ヘルペスウイルス1型再活性化が主要病因であり,また水痘帯状疱疹ウイルス再活性化によるHunt症候群の亜型であるzoster sine herpeteが,臨床的Bell麻痺の中に少なからず混在する。そのため,抗ウイルス薬とステロイドの併用療法についても臨床試験が施行されてきた。その結果は様々であり,メタアナリシスにおいても統計学的に境界域の効果とみなされ,併用効果は不確実であると結論づけられている。
2012年米国神経科学会,2013年米国耳鼻咽喉科学会から発行されたガイドラインでは,発症72時間以内の新鮮例に対する併用療法はlevel C, optionレベルの推奨となっている。現状では適切なインフォームドコンセントのもと,患者の要望などを考慮し個々に対応するべきと考えられる。
高度の神経変性を生じたBell麻痺・Hunt症候群では,発症後半年~1年で病的共同運動,顔面拘縮,痙攣,ワニの涙などが後遺症として残る。そこで,回復期におけるこれらの後遺症を軽減するリハビリテーションが普及してきた。また,片側顔面痙攣などの治療に用いられているA型ボツリヌス毒素製剤が,病的共同運動,顔面拘縮の治療にも応用されている。さらに,各種形成外科手術の進歩も著しく,後遺症を生じた場合においてもQOLの向上が得られるようになってきた。

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