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胃癌腹膜播種に対する新規蛍光転移診断の現状

No.4723 (2014年11月01日発行) P.50

村山康利 (京都府立医科大学消化器外科)

大辻英吾 (京都府立医科大学消化器外科教授)

登録日: 2014-11-01

最終更新日: 2016-10-26

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胃癌の腹膜播種診断にはCTやMRI,FDG-PETなどが用いられるが,その正診率は低い。そこで治療方針を決定する目的で術前に審査腹腔鏡を施行する施設も増加している。しかし,開腹時に審査腹腔鏡では診断できなかった播種病巣が10~20%発見されることも報告されている。
近年,がんの蛍光診断の発展が目覚ましく,様々な領域で研究されている。5-アミノレブリン酸(5-ALA)は内因性のアミノ酸である。体外から5-ALAを投与すると正常細胞では蛍光を認めないヘムに代謝されるが,がん細胞ではその酵素活性により,プロトポルフィリンIX(PpIX)が選択的に蓄積するという性質を有する。このPpIXが蛍光物質であり,405nmで励起すると635nmにピークを有する蛍光が観察できる。この性質を用いてグリオーマ(文献1)の術中診断や膀胱癌の診断に臨床応用されている。
5-ALAはわが国でもグリオーマの術中診断薬として薬事で承認された。この蛍光診断法は胃癌腹膜播種診断にも応用されている(文献2)。術前に5- ALAを内服してもらい,術中に蛍光腹腔鏡を用いて腹腔内観察を行うことで,通常の腹腔鏡観察では観察困難な播種性病変や,微小な表層の肝転移を診断することが可能となっている。
多施設共同研究を行って診断能を検討する必要があるが,他臓器癌にも応用することが可能であり,今後期待される診断法である。

【文献】


1) Stummer W, et al:Neurosurgery. 1998;42(3): 518-26.
2) Murayama Y, et al:Anticancer Res. 2012;32 (12):5421-7.

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