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勃起時の陰茎海綿体の血圧に 関する文献

No.4707 (2014年07月12日発行) P.65

岩永敏彦 (北海道大学大学院医学研究科生理系解剖学講座教授)

登録日: 2014-07-12

最終更新日: 2016-10-18

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【Q】

No.4141(2003/09/06)の質疑応答「勃起時の陰茎海綿体・尿道海綿体の硬度」の中に「硬直時には陰茎海綿体内の血圧が著しく上昇する(ヤギとウマでは1万mmHgを超える)」と記されている。それほどの高圧はどのように達成されるのか。勃起時の陰茎海綿体内の血圧が1万mmHgを超えると記されている論文を併せて,具体的に。 (広島県 H)

【A】

動物もヒトも,勃起時の陰茎内圧(正確には海綿体洞の内圧)は収縮期動脈圧よりもはるかに高くなり,陰茎が硬直する。硬直が起こる原因として,坐骨海綿体筋の収縮による陰茎脚の圧迫が考えられる。坐骨海綿体筋は横紋筋であるので,男性はある程度,意志によりこの筋肉を収縮できる。その結果,勃起した陰茎の根元(陰茎脚)を絞るため,海綿体圧がさらに上昇する(文献1)。
このような機序で,イヌでは1000mmHg以上(文献2,3)(ヒトは約500mmHg(文献4)近く)まで上昇し,腟への挿入時には外部からの圧迫が加わるのでさらに上昇することになる(このときイヌでは5000mmHg以上)。ヤギやウマは,さらに上昇するようである(文献5,6)。

【文献】


1) Aboseif SR, et al:Urol Clin North Am. 1988;15 (1):1-7.
2) Purohit RC, et al:Am J Physiol. 1976;231(5 Pt.1):1343-8.
3) Hanyu S, et al:Urol Int. 1987;42(6):401-12.
4) Lavoisier P, et al:J Urol. 1986;136(4):936-9.
5) Beckett SD, et al:Biol Reprod. 1972;7(3):359-64.
6) Beckett SD, et al:Am J Physiol. 1973;225(5): 1072-5.

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