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「来年4月から開始するよう準備整えている」 - 日本専門医機構の池田康夫理事長が講演 [新専門医制度]

No.4801 (2016年04月30日発行) P.8

登録日: 2016-04-30

最終更新日: 2016-12-01

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【概要】日本専門医機構の池田康夫理事長(写真)が21日、都内で開かれた日本消化器病学会総会で講演し、新専門医制度が医師の地域偏在を助長させるとの懸念に対し、プログラム審査の段階で偏在が生じないよう調整すると強調。予定通り来年4月開始に向けて準備していると説明した。

新専門医制度は19の基本領域とサブスペシャルティの2段階制で、来年4月から基本領域の研修がスタートする予定。専門医研修では、各基本領域の研修カリキュラムに基づき、研修施設群が専門研修プログラムを作成。専門医研修に進む「専攻医」がこのプログラムに従い研修を行う流れだ。

■地域偏在ないよう調整機能を機構が持つ
池田氏は現在の進捗状況について、「研修施設群からのプログラム申請が終了し、全国から約2700のプログラムが申請された」と報告。内科が約500、外科が約180~190、総合診療は約400だと明かし、現在、基本領域学会による一次審査中で、その後機構の二次審査に進むと説明した。その際、「プログラム、専攻医募集人数の全国の分布を見て地域偏在がないよう調整機能を機構が持つ」と強調。今後については、二次審査の終了予定が6月末で、7月中旬に専攻医向けにプログラムを公表し、9月に専攻医募集を始めるとした。
講演では、新専門医制度が医師の地域偏在を助長するとして開始の延期を求める意見が日本医師会や病院団体から出ていることにも言及。日本医学会連合や全国医学部長病院長会議は来年4月に開始すべきとの意見であることを紹介し、「専門医の質の向上と地域医療への配慮を調和させる難題に苦労しているが、さまざまな懸念に対し個々に解決策を模索しながら進めたい。機構としては予定通り来年4月から開始するよう準備万端に整えている」と話した。
講演終了後、フロアからは、サブスペシャルティ研修の開始時期が遅くなることで、病院の専門医療に悪影響が生じる懸念が出た。これに対し池田氏は、日本内科学会では3年の研修期間のうち1年間、重点的にサブスペシャルティ研修が可能な仕組みであることを説明し、新制度に理解を求めた。

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