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医療保険制度改革の骨子を決定 - 紹介状なし大病院受診の定額負担を法制化 [社会保障制度改革推進本部]

No.4734 (2015年01月17日発行) P.9

登録日: 2015-01-17

最終更新日: 2016-11-18

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【概要】次期通常国会に関連法案が提出される医療保険制度改革の骨子が決定した。国保財政の安定化に加え、紹介状なし大病院受診の定額負担導入など患者負担の公平化が盛り込まれた。


政府は13日、医療や介護など社会保障制度の見直し状況を点検する「社会保障制度改革推進本部」(安倍晋三本部長)を開き、国民健康保険の保険財政安定化に向けた保険者機能の都道府県移管や患者負担の公平化を柱とする医療保険制度改革の骨子(下掲)を決定した。次期通常国会に関連法案が提出される。

●入院時食事療養費は段階的に460円へ
今回の医療保険制度改革の柱は、国保財政の安定化だ。財政運営主体を市町村から都道府県に移管するとともに、2015年度から毎年1700億円の国費を充当、財政安定化基金も創設する。このほか被用者保険が負担する後期高齢者支援金に、加入者の所得に応じて算定する全面総報酬割を導入。財政基盤の弱い協会けんぽへの補助金が不要になることで生じる国費を活用し、17年度から1700億円を国保財政に充当する方針で、国保安定化には毎年3400億円が投入されることになる。
患者負担の公平化の主な項目は、(1)入院時食事療養費等の見直し、(2)紹介状なしで大病院を受診する場合等の定額負担導入、(3.)所得水準の高い国保組合の国庫補助の見直し─の3点。(1)の入院時食事療養費の負担額は現行の1食260円から段階的に引き上げ、20年度からは460円となる。(2)の紹介状なしの大病院受診時の定額負担導入は、16年度から実施。特定機能病院と500床以上の病院を対象とし、初診または再診時に5000~1万円の定額負担を求めるが、負担額については今後中医協で詰める。(3)の国庫補助の見直しは、医師国保を含む所得水準の高い国保への国庫補助について、現状の32%から5年間かけて13%に引き下げる方針だ。このほか、新たな保険外併用療養の仕組みである患者申出療養(仮称)については16年度から実施される。

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