株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

心房細動患者のアブレーション後CHADS2スコア2点以上での抗凝固療法継続について

No.5200 (2023年12月23日発行) P.52

桑原大志 (東京ハートリズムクリニック院長)

高橋 淳 (横須賀共済病院循環器内科/副院長)

登録日: 2023-12-20

最終更新日: 2023-12-19

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 最新の日本循環器学会のガイドラインによれば,心房細動患者はアブレーション後もCHADS2スコアが2点以上の場合,抗凝固療法の継続が推奨されています。この基準は,実際にはやや厳しいと感じています。数多くのアブレーション症例を経験されている横須賀共済病院・高橋 淳先生に,この点についての解説をお願いいたします。

    【質問者】桑原大志 東京ハートリズムクリニック院長


    【回答】

    【アブレーション後の抗凝固療法中止の際は,心房細動再発の否定に加えて左房機能改善を確認する】

    「不整脈非薬物治療ガイドライン(2018年改訂版)」では,CHADS2スコア1点までの心房細動アブレーション術後の抗凝固療法中止に関しては記載がありますが,それ以上のスコアに関しては記載がなく,継続が原則と解釈されています。

    CHADS2スコア2点が脳梗塞既往の場合は,二次予防目的の抗凝固療法として中止はしませんが,洞調律を維持し左房機能が改善した患者に抗凝固療法を継続することは,出血リスクの観点から好ましいとは言えません。

    以下に,当院における抗凝固中止法を紹介します。

    (1)そもそも心房細動が完全にコントロール されているか確認する

    心房細動が完全にコントロールされているかの判断は,意外に難しいものです。持続性心房細動に対するアブレーション後の外来で洞調律が記録され続けていても,心房細動発作がたびたび出現している可能性もあります。最近は1~2週間にわたる不整脈モニタリングが可能なパッチ型記録装置も使用可能ですから,それらを活用し心房細動の出現を否定します。

    残り777文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top