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■NEWS 複合型サービスの新設巡り賛否分かれる―社保審介護給付費分科会

No.5185 (2023年09月09日発行) P.70

登録日: 2023-09-04

最終更新日: 2023-09-04

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社会保障審議会介護給付費分科会は831日、地域密着型サービスに新しい複合型サービスを設定することの是非を議論した。訪問系サービスと通所系サービスの組み合わせが想定されているが、分科会では制度の複雑化を懸念する意見も多く、賛否が分かれている。

複合型サービスの新設は、社会保障審議会介護保険部会が昨年末にまとめた介護保険制度の見直しに関する意見で提言されたもの。地域によって異なる介護ニーズに柔軟に対応することに加え、事業所内での人材の有効活用により訪問介護員の不足を補う狙いもある。

8期介護保険事業計画(202429年度)におけるサービス量の見込みによると、訪問介護と通所介護の需要は今後も大きく増加するが、事業所数は近年、微増から横ばいで推移。その主な原因は人手不足であり、特に深刻なのが訪問介護員の不足で高齢化も進んでいる。

一方、厚生労働省が分科会に提示したデータでは、複合型サービスがない現状においても訪問介護利用者の46.7%が通所介護、または地域密着型通所介護を併用している実態が明らかになった。通所・訪問系サービスの事業者の半数以上が訪問介護事業所と通所介護事業所の双方を運営していることも判明。

さらに、これら事業所のヒアリング調査では、職員が通所・訪問系の両方のサービスに勤務するメリットに、「人材不足を補える・人材を有効活用できる」が最も多く挙げられた。また、仮に両者を組み合わせた複合型サービスがあるとした場合の利用者のメリットを聞いたところ、「切れ目のないケアを受けることができる」、「通所で明らかになった利用者の課題を訪問でフォローするなど、より質の高いサービスが受けられる」との回答が多かった。

■反対派は制度の複雑化を懸念、「必要性のエビデンスがない」といった厳しい声も

分科会の議論では、新しい複合型サービスの検討に前向きな意見もあったが、反対する委員も多く、「新サービスの創設は制度の複雑化、負担増につながる」(井上隆委員・日本経済団体連合会専務理事)、「現状でさえ制度の複雑さが指摘されているのに屋上屋を重ねることには反対。必要性のエビデンスもない」(東憲太郎委員・全国老人保健施設協会会長)、「既存サービスの規制緩和をまず検討してはどうか」(田中志子委員・日本慢性期医療協会常任理事)といった声が上がった。

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