前回連載(133)(本誌7月1日号)で「骨太方針2023」の社会保障・医療制度改革方針を検討した際、最後に、「かかりつけ医問題は政策的に終わった」と書き、その根拠の1つとして、春の財務省・財政制度等審議会「建議」(以下、「建議」)が「かかりつけ医の制度化」に触れなかったことを挙げました。
この判断に対して、複数の方から、最強官庁である財務省が「かかりつけ医の制度化」を放棄するはずはなく、長期的にその実現をめざしているとの疑問・質問をいただきました。
そこで今回は、私の判断の根拠を述べます。まず、今までの「建議」の「かかりつけ医(の制度化)」の書きぶりの変化を述べます。その上で、財務省が「かかりつけ医の制度化」に固執しない理由について述べ、これが、財務省が得意とする「変わり身の早さ」の現れであると説明します。