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一絨毛膜性双胎における一絨毛膜双胎(selective IUGR)および一児子宮内胎児死亡に対する管理法 【生存児の貧血をMCA-PSVで評価し,待機的管理を行う】

No.4825 (2016年10月15日発行) P.58

杉山 隆 (愛媛大学医学部産科婦人科学教授)

大路斐子 (東邦大学医療センター大森病院産婦人科)

中田雅彦 (東邦大学医療センター大森病院産婦人科教授)

登録日: 2016-10-14

最終更新日: 2016-10-14

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  • 一絨毛膜性双胎におけるselective IUGRおよび一児子宮内胎児死亡に対する管理法について教えて下さい。東邦大学医療センター大森病院・中田雅彦先生にお願いします。

    【質問者】

    杉山 隆 愛媛大学医学部産科婦人科学教授


    【回答】

    一絨毛膜双胎〔selective intrauterine growth restriction:selective IUGR(sIU GR)〕とは,一絨毛膜性(monochorionic:MC)双胎において一児が胎児発育不全の状態を表し,胎児推定体重が−1.5SD以下,もしくは両児間の推定体重差が25%の場合に該当します。小さい児の臍帯動脈血流が①順行性,②常に途絶/逆流,③周期的に途絶/逆流の3つによって病型が分類されます(それぞれtype Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ)。type Ⅱ,Ⅲでは胎児死亡の可能性が高く,一児胎児死亡となれば胎児胎児間失血によって他児の生命予後・神経学的発達に影響を与えます。妊娠26週未満のsIUGRのtype Ⅱ,Ⅲに対しては胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術によって胎盤の両児間の吻合血管を遮断する胎児治療が行われており,予後の改善が得られています。

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