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特集:高齢者の体重減少─リハビリテーション栄養ケアプロセスで考える

No.5118 (2022年05月28日発行) P.18

若林秀隆 (東京女子医科大学病院リハビリテーション科教授)

登録日: 2022-05-27

最終更新日: 2022-05-25

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横浜市立大学医学部卒業。日本リハビリテーション医学会専門医・認定臨床医・指導医。専門はリハビリテーション栄養,サルコペニア,サルコペニアの摂食嚥下障害など。The 4th Asian Conference for Frailty and Sarcopenia,First Prizeを受賞。

1 体重減少の診断と発見
・体重減少と診断する目安は,6~12カ月で5%以上の体重減少もしくは6カ月で2kg以上の体重減少である。
・体重減少を,本人や家族が訴える場合でも医療者が発見する場合でも,実際に体重を測定して確認する。

2 体重減少の医療面接と身体診察
・まず,体重減少の分析としてOPQRSTを確認する。
・意図的な体重減少かどうか,問題のある体重減少かどうかを確認する。
・体重以外に,下腿周囲長,上腕周囲長,上腕三頭筋皮下脂肪厚を評価する。

3 体重減少の診断推論
・高齢者の食欲低下や体重減少の原因究明には,MEALS ON WHEELSが使用されている。
・高齢者の体重減少でよくある原因は,悪性腫瘍,消化器疾患,抑うつ状態,薬剤性,摂食嚥下障害である。

4 リハビリテーション栄養
・高齢者の体重減少への対応には,“リハビリテーション栄養”の考え方が有用である。リハビリテーション栄養とは,生活機能やQOLを最大限高める,「リハビリテーションからみた栄養管理」や「栄養からみたリハビリテーション」である。

5 リハビリテーション栄養診断
・栄養障害(低栄養),サルコペニア,栄養素摂取の過不足の有無と原因追及を行う。
・低栄養はGLIM基準,サルコペニアはAWGS 2019,栄養素の摂取不足は「日本人の食事摂取基準」などで診断する。

6 リハビリテーション栄養ゴール設定
・リハビリテーションと栄養のゴール設定は,SMARTに行う。
・①改善すべき低栄養か? ②改善できる低栄養か? という2つのキークエスチョンがともにYesの場合に,栄養改善をめざしたゴールを設定する。

7 1日エネルギー必要量の計算方法
・1日エネルギー必要量=1日エネルギー消費量+1日エネルギー蓄積量
・エネルギー蓄積量を加味して体重増加をめざした栄養療法を“攻めの栄養療法”と呼ぶ。

8 リハビリテーション栄養モニタリング
・栄養とリハビリテーションのゴールが達成されたかをモニタリングする。
・攻めの栄養療法では,エネルギー摂取過多によって,高血糖,脂質異常症,脂肪肝,腎障害,電解質異常を認めることがある。そのため,血液検査で該当項目をモニタリングする。

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