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甲状腺未分化癌における緊急気道確保 【CTで気道狭窄の状態を把握し,気管内挿管,経皮的気道確保を行う】

No.4822 (2016年09月24日発行) P.58

茶薗英明 (千葉大学医学部附属病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科)

根本俊光 (成田赤十字病院耳鼻咽喉科第一部長)

登録日: 2016-09-23

最終更新日: 2016-10-06

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  • 甲状腺未分化癌(thyroid undifferentiated carcinoma:TAC)は全癌種の中でも予後不良の悪性腫瘍であり,時に急速な増大と同時に隣接臓器である気管への浸潤,圧迫など緊急的な気道狭窄を起こしえます。
    手術,化学療法などの治療適応の有無を判断する前に,まずは救命としての気道確保が必要と思います。その際,安全な気道確保に障害となる問題点,それをいかにマネージメントして対応するかなど,気道確保としては難易度の高い状況を克服するエッセンスについて,成田赤十字病院・根本俊光先生のご教示をお願いします。

    【質問者】

    茶薗英明 千葉大学医学部附属病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科



    【回答】

    TACは甲状腺悪性腫瘍の中で最も悪性度の高い疾患です。急速に増大し周囲への強い浸潤傾向を示すため,時には数日の経過で喉頭・気管を狭窄させ呼吸苦や窒息をきたすこともあります。気道確保には気管内挿管,輪状甲状間膜切開,気管切開などの手段がありますが,甲状腺は気管の前面に位置するため,腫瘍の進展方向や浸潤範囲によってはこれらの処置は困難をきわめ,様々な工夫を要する場合があります。以下に,いくつかのポイントを記します。

    まず,CTで気道狭窄の状態を把握することが必要です。喉頭所見が正常で容易に気管内挿管が可能と思われても,声門を越えた気管内チューブが腫瘍の気管内増殖により進められず,腫瘍からの出血により致命的になるリスクがあります。気管狭窄がある症例で気管内挿管を施行する際には,患者を意識下のまま経鼻挿管として気管支ファイバースコープを併用し,可能であればパーカースパイラルチューブのように先端が細く軟らかく加工されているものを選択します。

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