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『気道異物による窒息の対処法~救急隊到着前と後・院内治療別の極意』について著者の五十嵐 豊先生にお聞きしました

登録日: 2022-03-24

最終更新日: 2022-03-24

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気道異物による窒息の対処法~救急隊到着前と後・院内治療別の極意

[執筆]五十嵐 豊(日本医科大学付属病院 高度救命救急センター)

判型:A4判
頁数:22頁、動画:5点
価格:1,540円(税込)

─本コンテンツの特徴・魅力は。


気道異物による窒息の対処について、発生から救急搬送、院内治療に至るまで、何をすればいいか具体的に示したコンテンツです。窒息は毎年8000人以上が死亡しており、不慮の外因死の第2位となっています。窒息は蘇生ガイドラインで、Basic Life Support(BLS)の章の一部として記載され、トレーニングも行われていますが、窒息だけに焦点を当てたコンテンツはありませんでした。

窒息は主に食事中に発生すること、異物をすぐに除去できれば転帰良好であることから、高齢者を介護する家族や医療・介護従事者にとって必須の知識・技術と言えるでしょう。また、異物の除去に役立つ器具も紹介しています。高齢や神経疾患により窒息のリスクは上昇しますが、経口摂取に消極的になるとQuality of Lifeの低下や残存能力の低下、自立阻害となります。人口の超高齢化が進み、人生100年時代と言われるようになった日本が抱える課題として、日本から発信する最新の研究を含めて紹介しています。

─超高齢社会の日本では窒息に対する備えが重要ですね。

はい。窒息はどこでも起こりうる救急疾患です。特に院内や介護施設は嚥下に障害のある方が多く、気道異物による窒息のリスクが高いと言えます。日本医療機能評価機構の医療事故情報報告では、過去10年間に500件以上の窒息に関する事故が報告されており、濃厚な治療を要したり転帰不良となったりした症例が多く存在します。

目の前で窒息が発生し、5分以内に異物を除去できないと転帰不良となる確率が高まります。迅速で適切な対応が求められますが、準備は十分でしょうか。BLSの講習会で、異物の除去に対する応急手当を学習しますが、ほとんどが心肺蘇生のトレーニングです。

本コンテンツは現場で背部叩打法や腹部突き上げ法を行うときだけでなく、食事の介助に直接かかわる医療従事者を教育・訓練するのに重要な知識をまとめています。医療安全の視点からも役に立つコンテンツではないかと思います。

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