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食道穿孔・破裂[私の治療]

No.5104 (2022年02月19日発行) P.39

村上雅彦 (昭和大学病院食道がんセンターセンター長/同病院食道外科診療科長/特任教授)

登録日: 2022-02-18

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  • 食道穿孔・破裂は,外的要因により食道に穴・裂創ができることである。食道は解剖学的に縦隔内に位置し,縦隔炎から膿胸・敗血症と急速に重篤な状態に進展する。早期診断・治療が重要で,頻度は高くないが治療開始の遅れが致命的となる。

    原因として,特発性・医原性・外傷性・異物性・化学的・食道疾患が挙げられる。医原性61%,特発性15%,異物性12%,外傷性9%,腫瘍1%,その他と報告される。医原性の原因は,内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)やステント挿入などの内視鏡手技関連である。異物は,義歯・魚骨・PTP包装などによる。

    特発性食道破裂(Boerhaave症候群)は,食道内圧の急激な上昇による。70%は飲酒後の嘔吐が原因で,30~50歳代の男性に多い。好発部位は,圧力がかかりやすい下部食道から食道胃接合部の左壁である。

    ▶診断のポイント

    嘔吐,胸痛,呼吸困難,心窩部痛,皮下気腫,嚥下困難,吐血,ショックなど症状は様々である。心拍動に同期する捻髪音(Hamman徴候)が聴取されることがある。嘔吐・胸痛・皮下気腫(Mackler三徴)が認められる場合は,特発性食道破裂を強く疑う。嘔吐後に胸痛を訴える場合は想定すべき疾患である。穿孔部が大きく,胸部単純X線で縦隔気腫,胸水,気胸を認めれば診断は容易だが,微小穿孔例もありCT検査がより診断を確実とする。食道造影は,造影剤の漏出による縦隔内限局型か胸腔内穿破型かの判断が可能だが,全身状態不良で検査が困難な場合も多い。CT検査でも,縦隔内限局型か胸腔内穿破型かの鑑別は可能である。

    【検査所見】

    血液生化学検査:白血球・CRP上昇

    胸部X線:皮下気腫,縦隔気腫,胸水,気胸,肺炎

    頸胸腹部CT:縦隔炎,皮下気腫,縦隔気腫,胸水,穿孔部位・程度の同定

    食道内視鏡:穿孔部の部位・大きさの同定

    食道造影:穿孔部位・程度の同定

    胸水穿刺(胸水貯留時):食物残渣,pH<6,S型アミラーゼの上昇

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