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皮膚結核,非定型抗酸菌症[私の治療]

No.5079 (2021年08月28日発行) P.38

谷崎英昭 (関西医科大学皮膚科学講座教授)

登録日: 2021-08-29

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  • 皮膚結核:結核菌またはその菌体成分に対するアレルギー反応によって生じる皮膚病変である。内臓病変からの散布や皮膚への直接接種で生じる。
    非定型抗酸菌症:結核菌,らい菌以外の皮膚抗酸菌感染症の総称である。熱帯魚や土壌に関連して発症することが多い1)

    ▶診断のポイント

    両疾患とも紅斑,結節,肉芽腫,潰瘍など病変は多彩で炎症所見に乏しいことも多い。経過が長く,通常の抗菌薬内服などで症状が遷延する場合には鑑別に挙げる必要がある。真性皮膚結核は頸部や上半身に多く,結核疹は下肢に多くみられる。非定型抗酸菌症は,外傷部位からリンパ行性に連続した片側性に生じることが多く,魚の飼育歴や接触歴を確認することが重要となる。

    【検査所見】

    QFT-3G検査,T-SPOT検査,ツベルクリン反応陽性の有無がヒントになることが多い。膿汁や生検から得た組織を抗酸菌染色することで,赤く染まる桿菌が確認される。培養においては,小川培地などを用いて25℃,37℃,42℃で3~6週間ほど発育させ,薬剤感受性試験も併せて実施する。菌の同定にはDNA相同性試験やPCR法が有用であり,胸部X線やCT検査などによって内臓病変の有無についても確認するのが望ましい。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    中長期的な薬物療法が中心となり,皮疹消退後も数カ月間は内服を継続する。経過によって外科的切除や温熱療法などの併用を検討する。

    【皮膚結核】

    耐性菌の出現を防ぐため,感受性のある薬剤を3~4剤併用する。初期の強化療法と維持療法を確実に行うことが大事であり,薬剤の変更時は施設の感染対策室などに相談するのがよい。内臓病変を伴う場合は内科医とも初期から連携することが望ましい。

    【非定型抗酸菌症】

    前述同様,耐性菌の出現に注意を払いながら2~3剤の併用療法を行う。菌種によって抗菌薬の有効性や治療法が異なることもあり,菌の同定を行いつつ内服を開始し,感受性試験を踏まえて適宜薬剤の変更を検討する。切除可能な場合は手術を,発育温度が低い菌種ではカイロなどを用いて熱傷に注意しながら皮膚温が42℃以上を保つよう温熱療法も指導する。

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