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心室頻拍[私の治療]

No.5075 (2021年07月31日発行) P.40

岩崎雄樹 (日本医科大学循環器内科准教授)

清水 渉 (日本医科大学循環器内科教授)

登録日: 2021-07-29

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  • 心室頻拍(VT)は,ヒス束以下を起源とする頻脈性不整脈であり,機序としてはリエントリーと非リエントリーに分類される。また,30秒以上持続する場合を持続性心室頻拍と呼び,30秒未満であれば非持続性心室頻拍と定義される。VTは時として致死的となるため,迅速かつ適切な治療が求められる。基礎心疾患の有無により治療方針や臨床経過が大きく異なるため,原因となる疾患の検索が重要となる。

    ▶診断のポイント

    VTは12誘導心電図で幅の広いQRS波形の頻拍を呈するが,他の不整脈でも同様の波形となることがあり,鑑別を必要とする。鑑別診断として,①脚ブロックもしくは心室内変行伝導を伴う上室頻拍,②逆方向性房室回帰性頻拍,③WPW症候群に心房細動や心房頻拍を発症,が挙げられる。12誘導心電図で,頻拍中に房室解離や,心房からの興奮が房室結節を経由して幅の狭いQRS波形を呈する所見が得られればVTと診断できる。ただし,判定が難しい場合も多く,頻拍に伴う症状が強い場合や血行動態が不安定な場合には,臨床的にVTと考えて治療にあたる。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    日常診療でVTを目の前にした場合には,血行動態が安定していたとしても電気的除細動器を手の届くところに置き,速やかな対応ができるよう治療環境を整えることが大切である。診療所等で医療機器や薬剤,人手が不十分な状況では専門施設へ救急搬送することも考慮する。血行動態が保たれていれば,薬物治療による停止を試みるが,速やかなVT停止効果を期待するため,静脈注射製剤を使用することが多い。VT予防のために,経口による抗不整脈薬投与が検討されるが,基礎心疾患や心機能によって植込み型除細動器(ICD)の適応についても同時に評価していくことが必要である。

    また,VT症例の中にはICDが植え込まれている場合があり,ICD手帳などの情報があればICD設定を確認する。デバイスチェックにより,過去の不整脈の記録から治療方針の決定に重要な情報を得ることができる。

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