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最近の血糖測定器の進歩について

No.5068 (2021年06月12日発行) P.48

川浪大治 (福岡大学医学部内分泌・糖尿病内科学講座 主任教授)

前田泰孝 (医療法人南昌江内科クリニック/ 一般社団法人南糖尿病臨床研究センターセンター長)

登録日: 2021-06-14

最終更新日: 2021-06-08

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  • 最近の血糖測定器の進歩について教えて下さい。使用することで臨床上もたらされるメリット,time in range(TIR)の考え方についてもご教示下さい。
    医療法人南昌江内科クリニック/一般社団法人南糖尿病臨床研究センター・前田泰孝先生にご回答をよろしくお願いします。

    【質問者】

    川浪大治 福岡大学医学部内分泌・糖尿病内科学講座 主任教授


    【回答】

    【血糖の見える化が進み,インスリン治療がより安全に最適化できる】

    インスリン治療に関連したデバイスの進歩が著しい昨今ですが,持続グルコースモニタリング(continuous glucose monitoring:CGM)が普及したことにより,血糖値の理解が点から線に変わりました。糖代謝に関わるインスリンの分泌動態や作用の理解が深まっただけでなく,生活習慣と心理社会的背景が血糖変動にいかに大きく寄与しているかが浮き彫りになりました。

    CGMのメリットはなんと言っても低血糖の回避に尽きます。特に,リアルタイムCGMを使えば,血糖値の確認が難しい就寝中や多忙な時間帯でもアラート機能によって患者に血糖補正を促してくれます。CGMの登場によって,重症低血糖を予防しながら安全なインスリン療法が行えるようになり,糖尿病患者の血糖コントロールとQOLが著しく改善しました。


    CGMを糖尿病療養指導に活かすには,多職種で協力しながら日々の血糖の変化を読み解くことが重要です。食事前後の血糖値の動きからは,糖質量の見積もりと必要なボーラスインスリン量の計算(糖質インスリン比)が合っているのか,インスリンを打つタイミングが妥当かを評価することができます。また,夜間・空腹時の血糖値は基礎インスリン量の調整によって適正化できるようになります。

    しかし,CGMの読解と治療介入の手法を学ぶための体系的なトレーニングツールがいまだ存在しないため,多くの経験者たちの方法論にあたる必要があります。そこで,CGMを端的に理解するのに役立つ数学的な指標(メトリクス)が多く提唱されています。

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