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痙攣性発声障害に対する甲状軟骨形成術Ⅱ型の手術適応とその留意点について

No.5040 (2020年11月28日発行) P.42

片平信行  (名古屋掖済会病院耳鼻咽喉科医長)

松島康二 (東邦大学医療センター大森病院耳鼻咽喉科 准教授)

登録日: 2020-11-28

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  • 痙攣性発声障害に対する甲状軟骨形成術Ⅱ型の手術適応とその留意点についてご教示下さい。
    東邦大学医療センター大森病院・松島康二先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    片平信行 名古屋掖済会病院耳鼻咽喉科医長


    【回答】

    【手術を成功させるためには,前交連腱を甲状軟骨から剝離せずに開大操作を行う必要がある】

    甲状軟骨形成術Ⅱ型(以下,Ⅱ型)の適応疾患である内転型痙攣性発声障害(adductor spasmodic dysphonia)は,発声時に内喉頭筋群が不随意的そして断続的に収縮することにより,声帯が過度に内転し発声時の呼気流が遮断され,声の途切れや詰まりを呈します。その結果,高度の過緊張性発声または努力性発声をきたします。正確な原因はいまだ不明ですが,大脳基底核の機能異常による局所性ジストニアが本態であるとする見解が多いです。痙攣性発声障害の診断基準と重症度分類に関しては日本音声言語医学会から公開されている項を参照して下さい。

    手術の適応は,日本喉頭科学会より示されている,①日本耳鼻咽喉科学会認定の耳鼻咽喉科専門医により内転型痙攣性発声障害と診断された患者,②自覚的または他覚的に努力性発声や声の途切れを1年以上有する内転型痙攣性発声障害患者,③音声障害に対する専門的知識を有する耳鼻咽喉科医または言語聴覚士が音声指導・音声訓練を実施したが無効な患者であること,という3つの条件を満たしていなければいけません。さらにⅡ型を行うためには,一定の基準を満たした耳鼻咽喉科医師が,講習会を受講した後に手術を見学し,認定医の資格を取得する必要があります。

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