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■NEWS 「特定処遇改善加算」の事業所内配分ルール見直しを提案―介護給付費分科会で厚労省

No.5039 (2020年11月21日発行) P.69

登録日: 2020-11-12

最終更新日: 2020-11-12

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厚生労働省は119日、「介護職員等特定処遇改善加算」(以下、特定処遇改善加算)の事業所内配分のルール緩和や、「特定処遇改善加算」および「介護職員処遇改善加算」の職場環境等要件の見直しなどを社会保障審議会介護給付費分科会に提案した。

 「特定処遇改善加算」は2019年度介護報酬改定の際に、勤続年数10年以上の介護福祉士(経験・技能のある介護職員)に月額平均8万円相当の処遇改善を行うことを算定根拠として創設。その際、加算財源の事業所内の配分に関しては、例えば「その他の職種」まで処遇改善の対象にする場合、「他の介護職員」の平均処遇改善額を「1」とすると、▶「経験・技能のある介護職員」は2倍以上、「その他の職種」は2分の1を上回らない―というルールが設定されている。

ただ、厚労省のデータによると、206月サービス分における「特定処遇改善加算」の算定率は65.5%で、導入当初に比べると10ポイント程度伸びているものの、まだ十分とは言い難いのが現状。算定していない理由では、算定にあたっての事務作業が煩雑であることや、職種間や介護職員間の賃金バランスが取れなくなることへの懸念が上位となっている。

このため厚労省は、算定を促進するには、より事業者が活用しやすい仕組みにする必要があると判断。事業所内の配分ルールを緩和・簡素化し、経験・技能のある介護職員は他の介護職員よりも高くする、その他の職種は、他の介護職員よりも低くする―というルールに改めることを提案した(つまり、経験・技能のある介護職員>他の介護職員>その他の職種)。

 「特定処遇改善加算」と「介護職員処遇改善加算」共通の算定要件である職場環境等要件については、職場環境改善の実効性をより高める観点から、過去に行った取り組みではなく、当該年度の取り組みの実施を求める案を示した。その具体的内容では、若手の職員の採用や定着支援に向けた取り組み、職員のキャリアアップに資する取り組み、生産性向上につながる取り組み―などを挙げた。また、「介護職員処遇改善加算」の(IV)と(V)は、上位区分の算定が進んでいることを踏まえて、一定の経過措置期間後に廃止する方向で検討を求めた。

 ■区分支給限度基準額の計算方法見直しも提案 

このほか厚労省は、区分支給限度基準額の計算方法の一部見直しも提案。利用者間の公平性を担保するため、通所系サービスなどで同一建物減算の適用を受ける者の区分支給限度基準額の管理では、減算適用前の単位数を用いる、通所介護や通所リハビリテーションにおいて、大規模事業所減算が適用される事業所を利用する者の区分支給限度基準額の管理では、通常規模型の単位数を用いる―ことを検討課題に位置づけた。

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