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■NEWS 19年度の収支差率は2.4%、前年度比0.7ポイント悪化―介護事業経営実態調査

No.5038 (2020年11月14日発行) P.68

登録日: 2020-11-06

最終更新日: 2020-11-06

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2019年度決算における介護サービスの収支差率は2.4%となり、18年度決算時に比べて0.7ポイント低下したことが、1030日の社会保障審議会介護給付費分科会に報告された「令和2年度(2020年度)介護事業経営実態調査」の結果で明らかになった。給与費の伸びが経営悪化の背景にあり、収入に対する給与費割合は前年度比で0.4ポイント上昇した。

全ての介護保険サービスを対象に、19年度決算の状況を調べた。有効回答数は14376施設・事業所、有効回答率は45.2%。結果をみると、19年度の収支差率は全サービス平均で2.4%となり、18年度の3.1%から0.7ポイント悪化した。前年度からの減少幅が大きかったのは、地域密着サービスの「看護小規模多機能型居宅介護」(2.6ポイント減)、「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」(2.1ポイント減)、居宅サービスの「訪問介護」(1.9ポイント減)、「居宅介護支援」(1.5ポイント減)、「通所リハビリテーション」(1.3ポイント減)など。一方、「訪問入浴介護」(1.0ポイント増)、「特定施設入居者生活介護」(0.4ポイント増)、「福祉用具貸与」(0.5ポイント増)、「訪問看護」(0.2ポイント増)は、収支が改善した。

施設サービスの収支差率の前年度比は軒並みマイナスとなったが、介護老人保険施設と介護療養型医療施設の減少幅がともに1.2ポイントだったのに対して、介護老人福祉施設は0.2ポイントの減少にとどまった(介護医療院は客体数が少ないため除外)。

収支悪化の一因は人件費の上昇にあるとみられ、収入に対する給与費割合は全サービス平均で、前年度の64.1%から64.5%に0.4ポイント上昇。「認知症対応型共同生活介護」で前年度比2.4ポイント増と大きく伸びたほか、「介護老人保健施設」(1.2ポイント増)、「介護療養型医療施設」(1.1ポイント増)でも1ポイントを超える伸びを示した。

■新型コロナの影響、5月は事業所の47.5%で収支が悪化

また同日、新型コロナウイルス感染症の経営への影響を検証した調査研究事業の速報値も報告された。全国39199事業所を対象にしたアンケートで、新型コロナの流行前に比べて収支が悪化したと回答したのは、5月時点が全体の47.5%、10月時点では32.7%だった。サービス別でみると、5月に「悪くなった」と答えた事業所は、「通所リハビリテーション」(80.9%)、「通所介護」(72.6%)など、通所系サービスに多い。

支出が新型コロナ流行前よりも「増えている」と答えた事業所は、5月が54.7%、10月が53.3%だった。増加したのは主に、マスクや消毒液などの衛生用品に関する経費で、人件費や通信運搬費、車輌費(利用者宅の訪問に要する費用など)に大きな変化はなく、研修関係費用はむしろ減ったと答えた事業所の割合が高かった。

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