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■NEWS COVID-19薬物療法ガイドライン、中等症患者にトシリズマブを「弱く推奨」

No.5035 (2020年10月24日発行) P.69

登録日: 2020-10-16

最終更新日: 2020-10-16

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日本救急医学会と日本集中治療医学会は10月14日、エビデンスに基づく新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療を支援するため両学会のホームページで公開しているCOVID-19薬物療法ガイドライン(COVID-19薬物療法に関するRapid/Living recommendations)を改訂、中等症患者への抗IL-6受容体抗体トシリズマブ(商品名:アクテムラ)の投与を再評価し「弱く推奨する」と明記した。

同ガイドラインは、薬物療法に特化した国内初のCOVID-19診療ガイドラインとして9月9日に初版が公開された。

10月14日に公開された改訂第2版では、新たに確認されたエビデンスに基づきトシリズマブを再評価。初版ではRCT(ランダム化比較試験)がないため「現時点では推奨を提示しない(no recommendation)」としていたトシリズマブについて、「酸素投与/入院加療を必要とする中等症患者へのトシリズマブの投与を弱く推奨する」と記載した。

デキサメタゾンに限定せずステロイドを評価

また、デキサメタゾン(商品名:デカドロンほか)のみ評価していたステロイドについて、複数のステロイド薬に関するエビデンスが新たに公開されたことから、メチルプレドニゾロンやヒドロコルチゾンも加えた新たな解析を行い、「酸素投与/入院加療を必要とする中等症患者、人工呼吸器管理/集中治療を必要とする重症患者へのステロイドの投与を強く推奨する」との記載に改めた。

「酸素投与を必要としない軽症患者」へのステロイド使用については「投与しないことを強く推奨する」としている。

両学会はガイドラインを「迅速作成かつオンタイム更新を実施するRapid/Living recommendations」と位置づけており、医療従事者に対し「常に最新版の情報を利用する」よう呼びかけている。

【関連情報】

日本救急医学会「COVID-19薬物療法に関するRapid/Living recommendations」(改訂第2版)公開ページ

日本集中治療医学会「COVID-19薬物療法に関するRapid/Living recommendations」(改訂第2版)公開ページ

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