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鼻茸(鼻ポリープ)[私の治療]

No.5029 (2020年09月12日発行) P.43

野中 学 (東京女子医科大学耳鼻咽喉科教授・講座主任)

野島知人 (東京女子医科大学耳鼻咽喉科)

登録日: 2020-09-14

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  • 鼻茸は,鼻副鼻腔粘膜から生じる炎症性腫瘤で,主に中鼻道や上鼻道から鼻腔に突出し,鼻閉や嗅覚障害などの原因となり,患者のQOLを大きく低下させる1)。慢性鼻副鼻腔炎に伴って形成されることが多いが,時に乳頭腫などの腫瘍性疾患との鑑別が必要な場合もある。

    ▶診断のポイント

    前鼻鏡検査が基本となるが,中鼻道後方や嗅裂,上鼻道などの病変では,鼻腔ファイバースコープでの観察が必要になる。炎症性疾患か,腫瘍性病変に伴うのか,また慢性鼻副鼻腔炎でも,好中球性炎症か好酸球性炎症かによっても治療方針が異なるため,併存疾患の鑑別が重要になる。

    【検査・鑑別】
    〈前鼻鏡検査および鼻腔ファイバースコープ検査〉

    鼻茸の発生部位,一側性か両側性か,単発性か多発性か,鼻汁の性状などを確認する。両側性で膿性鼻汁を伴う場合は,慢性化膿性鼻副鼻腔炎がまず考えられ,両側多発性で膠状鼻汁を認める場合は,好酸球性副鼻腔炎が考えられる。好酸球性副鼻腔炎と類似した所見を呈するものとして,アレルギー性真菌性副鼻腔炎も鑑別が必要であるが,一側性であることが多い。一側単発性で,上顎洞自然口付近から生じ後鼻孔に至る場合は,上顎洞性後鼻孔ポリープである。内反性乳頭腫は分葉状,乳頭状で表面不整という特徴的な外観から疑われるが,診断には病理組織学的検査が必要となる1)

    〈鼻副鼻腔CT,MRI〉

    CT検査で,慢性化膿性鼻副鼻腔炎では上顎洞,前部篩骨洞を中心に軟部陰影を呈するのに対して,好酸球性副鼻腔炎は前後部篩骨洞の軟部陰影が中心で上顎洞の陰影が弱い,篩骨洞優位の陰影を呈するという特徴がある。一側性の軟部陰影を認める場合には,真菌症や腫瘍性病変の鑑別が必要になる。真菌症では,CTでの石灰化所見やMRIのT2強調像で無信号に近い顕著な低信号を示すことがある。

    〈血液検査〉

    好酸球性副鼻腔炎,アレルギー性真菌性副鼻腔炎では,血中好酸球数が増加することが多い。

    〈病理組織学的検査〉

    腫瘍性病変の可能性が考えられる場合には,組織生検を行う。内反性乳頭腫では悪性腫瘍合併の可能性も否定できず,また,その進展度により手術計画が異なるため,術前の評価が重要となる。

    〈その他〉

    慢性鼻副鼻腔炎の患者で気管支喘息やアスピリン不耐症を合併している場合,またJESREC Studyによる術前診断基準スコアが11点以上の場合には,好酸球性副鼻腔炎が疑われる。JESREC Studyスコア11点以上で,鼻茸組織への好酸球浸潤が一定以上であれば,好酸球性副鼻腔炎と診断される。

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