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切除可能進行食道癌に対する集学的治療のこれから

No.5027 (2020年08月29日発行) P.51

渡邊雅之  (がん研究会有明病院院長補佐/ 消化器外科部長)

佐伯浩司  (群馬大学大学院消化管外科教授)

登録日: 2020-08-28

最終更新日: 2020-08-25

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  • 切除可能進行食道癌に対して,現在わが国では術前化学療法後の手術が標準治療となっています。一方,海外においては,術前化学放射線療法が標準となっています。また,切除可能進行食道癌に対しても,食道温存療法としての根治的化学放射線療法の意義が注目されています。切除可能進行食道癌に対する集学的治療の今後の展開について,群馬大学・佐伯浩司先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    渡邊雅之 がん研究会有明病院院長補佐/ 消化器外科部長


    【回答】

    【大きなパラダイムシフトが起きる可能性がある】

    切除可能進行食道癌に対する集学的治療については,わが国と欧米を中心とした海外とでは考え方が違います。それは,それぞれの手術に対する考え方の違いからきているように思います。

    わが国では,以前より3領域リンパ節郭清を伴う食道切除再建術が標準的な手術術式とされており,手術そのものによる高い局所制御を期待しています。そのため,微小浸潤や微小転移(マイクロメタ)を抑えることを目的とした周術期化学療法が主に開発されてきました。一方,海外では,局所制御のためには放射線療法+手術が必要との考え方から,主に化学放射線療法の意義が検証されてきたという歴史があります。

    わが国では,JCOG9907試験において,cStage Ⅱ,Ⅲ食道癌に対するシスプラチン+5-FUによる補助化学療法に関する検討が行われ,術前化学療法群が術後化学療法群に比べて全生存期間で良好な結果でした。そのため,「食道癌診療ガイドライン」において,術前化学療法後の根治手術が標準的治療と位置づけられています。海外では,CROSS試験の結果,術前化学放射線療法による手術単独群に対する予後延長効果が認められ,術前化学放射線療法が標準的な治療方針となっています。

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