株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

食道癌[私の治療]

No.5016 (2020年06月13日発行) P.44

北川雄光 (慶應義塾大学医学部外科学(一般・消化器)教授,病院長)

松田 諭 (慶應義塾大学医学部外科学(一般・消化器))

登録日: 2020-06-16

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 食道原発の悪性腫瘍であり,組織型として扁平上皮癌と腺癌に大別される。日本人では扁平上皮癌が約90%を占める。男性に多く,60~70歳代に好発する疾患である。診断および病期分類は「臨床・病理 食道癌取扱い規約 第11版」1),治療は「食道癌診療ガイドライン2017年版」2)に基づいて行われる。本稿では,わが国において頻度の高い食道扁平上皮癌に対する診断・治療について述べる。

    ▶診断のポイント

    初発症状としては,食道狭窄に伴う嚥下時つかえ感や,反回神経麻痺に伴う嗄声が挙げられる。しかし,いずれも進行癌に認められる症状でありその治療は困難となるため,症状出現前に早期に発見することが求められる。特に,危険因子である喫煙,飲酒歴を有する場合には定期的なスクリーニング検査を受けることが望ましい。

    診断には上部消化管内視鏡検査,CT検査が用いられる。治療方針決定に重要な病変位置,深達度,リンパ節・遠隔転移を判断するため,必要に応じて上部消化管造影,超音波内視鏡,PET検査等を追加する。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    食道癌の治療過程においては,入退院,身体侵襲の大きい治療,治療後の生活レベルの変化等,患者への数々の影響が想定される。したがって,病期診断に加えて,年齢,全身状態,生活環境(周囲からのサポート体制の有無)等を総合的に判断して治療方針を決めていく必要があることを先に述べておく。

    治療としては,内視鏡的切除術,手術,化学療法,放射線療法を組み合わせた集学的治療が推奨される。その適応は原則として病期によって判断され,診療ガイドラインに基づいて行われる。

    残り1,835文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    関連求人情報

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top