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■NEWS 新型コロナワクチン開発で「加速並行プラン」─厚労省

No.5016 (2020年06月13日発行) P.72

登録日: 2020-06-03

最終更新日: 2020-06-08

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厚生労働省は6月1日、新型コロナウイルスワクチンの開発で基礎研究から薬事承認、生産までの全過程を加速化する「加速並行プラン」を同省ホームページで公表した。

加速並行プランは、通常、基礎研究、非臨床試験、臨床試験と段階的に進めるワクチン開発を、基礎研究と非臨床試験・臨床試験を並行実施し、これらの研究開発と並行して生産体制の整備も進めることで加速させ、さらに薬事承認プロセスも迅速化することで接種開始の時期を大幅に前倒ししようというもの。

厚労省はこのプランを実現するため、日本医療研究開発機構(AMED)に開発資金を補助するとともにワクチン生産体制等緊急整備基金を創設(2次補正予算案に1377億円計上)し、専門業者への試験の委託や大規模生産体制の早期整備を支援する。

DNAワクチンは7月にも臨床試験開始

現在AMEDが支援している国内のワクチン開発は①組換えタンパクワクチン(感染研/UMNファーマ/塩野義)、②mRNAワクチン(東大医科研/第一三共)、③DNAワクチン(阪大/アンジェス/タカラバイオ)、④不活化ワクチン(KMバイオロジクス/東大医科研/感染研/基盤研)、⑤ウイルスベクターワクチン(IDファーマ/感染研)─など。

このうちDNAワクチンは早ければ7月から、ウイルスベクターワクチンは早ければ9月から臨床試験がスタートする見通しだが、それ以外は臨床試験の時期は未定とされており、激しい国際競争の中、国の支援で国内のワクチン開発がどこまでスピードアップするかが注目される。

【関連情報】
厚生労働省「新型コロナウイルスワクチンの開発に係る取組み」(6月1日)

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