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【識者の眼】「地域における医師と看護師の連携・協働〜診療所看護師の役割とは」石橋幸滋

No.5018 (2020年06月27日発行) P.65

石橋幸滋 (石橋クリニック院長)

登録日: 2020-05-25

最終更新日: 2020-05-25

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近年医療はチームによって行われるという認識のもと、医師以外の職種の役割が大きくなっている。その中でも看護師の役割は極めて大きく、病院医療の要と言っても過言ではない。

これに対して診療所の看護師の役割はというと、まだまだ医師の診療補助だけという看護師も少なくない。しかし、地域包括ケアや在宅医療の推進などに加え、病院の外来診療抑制の流れの中で、診療所の役割も大きく変わりつつあるし、地域におけるチーム医療の推進により、診療所看護師の役割は変化してきている。

にプライマリ・ケア機能を担う診療所の看護師の役割を示したが、日本プライマリ・ケア連合学会では、図のような役割を果たせる「プライマリ・ケア看護師」の育成を2019年から始めている。

看護師がなぜこんな能力を身につけなければならないのか、という意見もあるかもしれない。しかし、プライマリ・ケアの発達している海外のプライマリ・ケア・センターやGPオフィスで勤務する看護師の役割として、①トリアージ(電話・面接)、②予防接種・健康診査、③マイナー・イルネス対応、④慢性疾患管理─の4つが基本的役割として規定されている。

日本の診療所でも、すでにこの役割の一部を担っている看護師は少なくないが、今後このような役割を看護師が担うことにより、地域医療が大きく変化していくであろう。

【文献】

1)斜森亜沙子, 他:日本プライマリ・ケア連合学会誌. 2015;38(2):102-10.

石橋幸滋(石橋クリニック院長)[#多職種連携・協働 ]

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